足立朝日

「全日本卓球選手権マスターズの部」 男子65歳以上の部で優勝した 中村 提見(ひさみ)さん(65歳)

掲載:2011年2月5日号
本木西町在住

卓球台に向うと心が熱くなる

 「勝った、負けたはたった1本か2本」「我々は、半径2・5cmの範囲に球をコントロールできないと駄目」――。精悍な目、引き締まった体、迫力ある言葉。とにかくすごい人だ。卓球一筋の実績は勿論、体力、精神力、記憶力、指導力……。 
 卓球の世界では、国内大会の最高峰が「全日本卓球選手権大会」。先頃行われ、女子高生チャンピオン・石川佳純(かすみ)さん誕生で話題になった「一般の部」と11月に行われる「マスターズの部」(30歳以上からの年代別)があり、中村さんは昨年11月、大阪で行われたマスターズの部の男子65歳以上で優勝したのだ。同大会では、40代の部で1回優勝しており、2回目の快挙。「これが欲しかった!」と中村さん。相手は、かつて世界選手権日本代表になったこともある西飯(にしい)徳康さんだった。1歳年上で、かつて中村さんが教えを乞うた先輩。
 北海道北見生まれの一人っ子。父親の仕事の関係で、3歳の時上京。小3の時、現在の本木西町に引っ越した。通っていた寺地小の担任の影響で卓球の世界に入った。一中、葛飾・修徳高校、国学院では卓球部で活躍後、当時華の職場だった金融の世界に。バリバリと仕事をする一方、会社に卓球部を作り、29歳の時に「全日本軟式卓球選手権」の一般シングルで優勝。その後、部を「全日本実業団」の団体戦で優勝に導くなど大活躍。
 が、そんな中村さん、「卓球で自分を極めてみたい」と54歳で早期退職、卓球スクールのインストラクターをしながら、大会を目指す生活に。
 現在、約15人の生徒を教えている。生徒たちは一様に、「卓球の真髄をつき、王道を歩いている人。教え方は、熱心で深い。大会で優勝するのは当然」と絶賛する。
 中村さん、大会前は、1カ月前から調整に入る。荒川土手を1日5~6km走り、背筋訓練や腕立て伏せなどを毎日。体が出来上がったら、室内トレーニング。次の大会は3月16日(水)からの「東京卓球選手権大会」。2月から調整に入った。
 「卓球台に向うと心が熱くなる。今生きているんだな、と思う」。中村さんは、卓球に人生を賭けて荒川土手を今日もひた走る。

写真/優勝トロフィー、メダル、賞状を前に中村さん