足立朝日

漫談家 風呂 わく三さん (35歳)

掲載:2012年7月5日号
千住龍田町在住
銭湯を笑いで“沸(わ)かせ”てます


 ユニークな芸名は、一発で覚えられるインパクトがある。名付け親は歌手の吉幾三だ。
 漫才でこの道に入った。相方は、飯たく三。同じ千住生まれの幼なじみで、大学進学後にいずれ芸人を目指すつもりだったが、受験に失敗した相方の「芸人になるのに大学は必要ないよ」の一言で合格を蹴って、浅草に飛び込んだ。
 モノマネお笑いのパイオニア・はたけんじの下で修行、吉幾三の歌謡ショーの芝居に役者として出演し、見込まれて全国を回った。吉には「今でも弟子として扱ってもらっている」という。
 03年に相方の引退で
 〝風呂・めし〟コンビは解散、現在は漫談家として、司会、企画など幅広くこなす。綾瀬のキックボクシングとタイ料理の店・オーエンジャイでのリングアナウンサーが好評で、後楽園でもマイクを握った。
 芸名の引力なのか、不思議と銭湯の仕事が多い。今は企画から担当している「ゆ~ゆ~湯お楽しみイベント」(足立浴場連合会主催)は、100人以上が集まり大盛況だ。
 出演者の1人に大御所、江戸売り声の宮田章司(78歳/昨年7月5日号「人」掲載)がいる。銭湯は年配客が多く、世代の違う自分が笑わせるのは難しいと実感、同じ千住出身のよしみで交流のある宮田に依頼した。
 「千住の生まれだからお金なんかいい、足立区全部回ってやるよ、と。粋な方ですよ」。人情に篤く気風のいい大先輩から学ぶところは多い。「聞いたら千寿第七小の先輩だった」と笑う。「世代の壁を取り払いたい。全員に好かれなくてもいいから、人の縁、つながりは大切にしたい」。そんな心根が、歳上からの信頼を得ているのだろう。
 8月からワンコイン寄席(詳細未定)の企画が新たに始まるなど、まさに風呂が笑いに〝わく〟イベントが目白押しだ。
 「この世界に入ったからには有名になって売れたいけど、地域に密着して、足立区に貢献できるような成長ができたらいいな」。きっぱり語った後、「と言いつつ、成長できないで終わっちゃうかも」と、軽やかに付け足した。気負わない笑顔が頼もしい。
★ゆ~ゆ~湯お楽しみイベント=7月26日(木)午後1時開演予定、柳町住区センター、無料。原則70歳以上対象。出演は宮田章司、風呂わく三他。問合せはTEL3887・4564太平湯。