足立朝日

全国人権擁護委員連合会」創立60年   高円宮妃殿下を迎えて盛大に

掲載:2012年9月5日号
 法務省の人権擁護機関である全国人権擁護委員連合会(=全連)が創立60年を迎え、7月19日(木)、ガーデンシティ品川に於いて、高円宮妃殿下臨席のもと、記念式典・研究大会を含む総会を開催した。
 全国から参集した各連合会会長など約400人が見守る中、宮岡孝之・東京都人権擁護委員連合会副会長(足立区弁護士)の司会により開会。油井久仁子・全連副会長(東京都人権擁護委員連合会会長)が、高円宮妃殿下への謝辞と開会の言葉を述べた。
 第1部の記念式典では、中村浩紹・全連会長が「人としての尊厳が損なわれる問題が多発する現在」を憂い、「地域に密着した身近な相談のパートナーとして、さらに信頼される活動を展開する」ことを約束。滝実・法務大臣は「『子どもの人権110番』や、全国の小・中学校に1150万枚の『子どもの人権SOS』ミニレターを配布し、いじめに苦しむ子どもたちに救済の手を差し伸べるなどの充実した活動」を評価し、継続を希望した。
 高円宮妃殿下からは、「60年間の長きにわたる活動」への感謝と労い、「人々が人間として尊重される社会の実現」への思いが述べられた。
 来賓祝辞は、竹﨑博充・最高裁判所長官(代読)、山岸憲司・日本弁護士連合会会長(代読)。横田洋三・公益財団法人人権教育啓発推進センター代表理事、溝口喜文・公益財団法人人権擁護協力会代表理事など7人の来賓が紹介され、第2部の研究大会へ。
 国立ハンセン病資料館運営委員の平沢保治氏による「命、偏見、差別の根源を探る」を演題にした講演では、14歳で国立療養所「多摩全生園」に入所してからの差別の実態が浮き彫りにされた。母親の強い愛情に支えられた平沢氏は、現在「許す心の中に真の人間関係が築かれる」という信念のもと、国内外の障害者運動、人権教育などに尽力している。
 社会福祉法人「カリヨン子どもセンター」理事長の坪井節子弁護士は、「子どもたちに寄り添う/カリヨン子どもセンターの現場から」を演題に、シェルターに駆け込む子どもたちの実情を語った。さらに、弁護士として子どもたちと対峙する中で「本気で自分に生きていてほしいと願う相手」「自分の言葉を重く受け止めてくれる相手」を切望している思いを知った。困難を乗り越えた子どもたちが、自分で選んだ道を歩き出す時の誇り高い顔に、坪井弁護士が励まされたという話に、会場では涙を拭う姿が見られた。
 油井久仁子・全連副会長は、「『人権の世紀 さあ新たな一歩を踏み出そう』を全体テーマとし、『命』を考える総会としました。特に講師の人選に意を用い、参加者の『心』に届きましたことは、大きな喜びでした。東京ならではの工夫が実り、大勢の方々のご支援の賜物と深く感謝いたします。宮様のご臨席は、誠に光栄と一同の大きな励みになりました。謙虚に人権を考える活動を、今後も進めてまいります。巡り合わせとご縁に感謝」と同総会の成功を喜び、決意を新たにした。

写真/高円宮妃殿下に感謝の言葉を述べる油井副会長(左)