足立朝日

87.「水神社」 西保木間4-14

掲載:2017年6月5日号
日光街道と草加バイパスに挟まれた三角地帯に小さな神社「水神社」が建っている。目の前が車の通りの多い狭い道路で、人が歩くスペースがほとんどないので気づかれにくい場所にあるが、この神社の誕生には面白い伝説が言い伝えられている。
 昔、このあたりに法皇の御所を護っていた小宮某という名の武士が、職を辞して暮らしていた。ある日、近くの沼で釣りをしていると、後ろの方でおかしな音がした。振り返ってみると、沼に続いた林の中から丸太のように太く長い蛇が現れ、飲み込もうと襲いかかってきた。腕に自信のあった武士は、恐れずに立ち向かい蛇を切り殺すことに成功。しかし、その際に蛇の毒気にあたってしまい数日後に命を落とした。村人たちは気の毒に思い、武士の亡骸を葬り、そこに榎を植えた。また、蛇の祟りを恐れ、その霊を「水神」として祀った。これが「水神社」の始まりと言われている。さらに、植えた榎の大木は、長らく旅人たちの目印としてこの地に建っていた。
時代が進むにつれ、道路や家が建ち並び、今では榎も沼もなくなってしまった。歴史を語り継ぐ物として、神社や周辺に水神と名のつく橋やバス停があるが、これらは無くなることなく残っていってもらいたい。
【交通】都営バス「北千住駅前」から「足立清掃工場前」行きで「水神」下車徒歩約1分

写真/社の中には罔象女神と思われる白い姿の祭神が祀られている神社