足立朝日

Vol.180 キャラメルボックス2017グリーティングシアターVol.4

掲載:2017年8月5日号
少年の孤独と成長が一瞬の閃光のように

 老若男女から根強い人気を誇る演劇集団キャラメルボックスが、この秋、『光の帝国』をもってシアター1010に登場する。直木賞作家・恩田陸の小説『大きな引き出し』(集英社『光の帝国』所収)を原作に、成井豊と真柴あずきが脚本・演出を担当。ファンタジーと感動溢れる作品として舞台に乗せる。
 主人公は、古事記も枕草子も読んだものすべて記憶に「しまう」ことができる少年・春田光紀(関根翔太=写真右)。実は、光紀の両親も、姉の記実子(森めぐみ=写真左)も、同じ能力を持っていた。ある日、光紀は学校から帰る途中で、一人の老人が道端に倒れるのを目撃する。慌てて駆け寄り、老人の肩を支えると、様々な映像が光紀の中にドッと流れ込んできた。それは、老人の七十年に及ぶ、人生の記憶だった。
光紀を演じる関根は、入団5年目にして主役に挑戦する。同作品にかける想いを、成井は次のように語る。
「『光の帝国』を舞台化しようと思ったのは、読んで激しく感動したからです。私は今まで30本近くの小説を舞台化してきましたが、動機は常に感動です。この小説には、少年の孤独と成長が一瞬の閃光のように鮮やかに描かれていて、一人でも多くの人にこの物語を伝えたいと思いました。主人公は、『常野(とこの)』という特殊能力を持った一族の少年。彼はあらゆる文字データを一読で記憶することができます。が、そのことを秘密にしろと両親から言われていて、鬱屈をためている。そんな彼が、元医師の老人と出会うところから、物語は始まります。見どころはずばり、少年と老人の間に芽生えた友情と、少年の成長。この作品は8年前に1時間の短編として初演しましたが、今回は脚本を全面的に改訂し、2時間の長編として再演します。北千住のシアター1010からスタートして、全国10箇所を回ります。スタート地点の北千住の公演を、ぜひとも北千住近辺にお住まいの皆さんに見届けていただきたい。ご来場を心よりお待ちしています」
【日時】10月4日(水)=19時、5日(木)14時【料金】全席指定5500円、フレンズ会員10%引【チケット】TEL5244・1011