足立朝日

ペットを災害から守るために

掲載:2017年9月5日号
 9月1日(金)は「防災の日」。災害は忘れたころにやって来る、というが、このところの地震の多さはいやが上にも「防災」意識を高揚させる。そして9月20日(水)~26日(火)は動物愛護週間。ペットブームの昨今、家族同様のワンちゃん、猫ちゃんたちをどう避難させる?



◆飼い主責任による同行避難、自治体によるペットの居場所確保の義務付け
7月23日(日)、帝京科学大学千住キャンパス(千住桜木)で「災害時の動物の保護」をテーマに、イベント・シンポジウムが開かれ、約200人が参加、「ペットを人間同様、どう災害から守るか」を熱心に討論した。この「アニマルラブフェスタ」と題したイベントを、4年前から続けている同大学生命環境学部アニマルサイエンス学科の佐藤衆介教授(67)=仙台市動物愛護協議会会長=と山本和弘准教授(52)=獣医師=はこう語る。
「2011年3月11日の東日本大震災がすべてを変えました。一部の避難所は
連れてきたペットであふれ、仮設住宅にもペットの姿。原発事故のあった福島では、立ち入り禁止になった場所に、ペットや家畜たちが残され、畜産動物の多くは殺処分にされ、一部は餓死しました。ここからペットと災害の問題が大きくクローズアップされることになったんです」
 1973年に施行された「動物保護法」は、2012年に抜本改正された。その基本は「災害時に自宅に戻れない時、飼い主がペットを一緒に避難所に連れて行き(同行避難)、指定場所でルールを守って飼育する」ということが努力目標とされた。飼い主責任と同時に避難所設置者(主に自治体)のペット収容場所の設置が強く求められた。
しかし、避難所では動物アレルギーの人もいる上、同じ空間に犬や猫がいることを嫌がる人も多い。飼い主は、ペットが隣にいる「同伴」を希望するものの、隣接する別の場所にケージを置いたり、金網で囲まれた「小屋」を設置するのが精一杯の状況だ。
帝京科学大学では、キャンパスが第一次避難場所になっているため、毎年11月に「ペット同行避難訓練」を行っている。今後は受け入れ態勢の整備を急ピッチで進めていくという。
◆自治体は居場所の確保できゅうきゅう
災害対策課の下で、主にペットの避難を担当する足立保健所の佐久間浩生活衛生課課長は「避難所の設置・運営は、主に町会・自治会単位にお願いしています。今年4月の本部長、庶務部長の集まりでは①ペットの居場所を決める②担当者を決めるの2点を話すのが精一杯でした」と言う。まず「人間優先」で、予算的にもペットの避難物資までは用意できないと言い「飼い主責任」が強調されているのが現状のようだ。
区では、ペットが迷子になった時に、迷子札か皮膚にマイクロチップを入れる施術を受けるように呼び掛けている。チップは、動物病院などで5000円程度で挿入でき、施術は比較的短時間で済む。
◆「普段の生活からしつけを」とアニマルシップの横井恵代表
現在、区内で登録されている犬は2万6000匹。猫は把握されていないが、同数か、それ以上いると推測されている。
帝京科学大学卒業後、梅田5丁目で「こども動物教室 アニマルシップ」(TEL&FAX5888・5455)を起業した横井恵代表(35)は「いざという場合には、日頃のトレーニング、しつけが大切です。散歩の中で、つとめて他犬・他人とのコミュニケーションを図ることですね」と語る。
横井代表らは、学校・幼稚園・保育園などでの教室のほか、月2回第2、第4土曜日に、午後1時~3時、北綾瀬にあるピーアーク1階のドッグラン付きコミュニティルームで「犬のしつけ教室」を開催している。無料。

●災害に備えペットのために準備する最低限のもの
〇3日分のえさや水と容器
〇リードや首輪
〇薬や療養食
〇フンを始末する道具
〇ペットシーツ
〇ケージやキャリー(名前を書いておくこと)

●帝京科学大学アニマルサイエンス学科の先生方による直近の特別講座
~しつけ・マナー・トレーニング犬の飼い方教室~
【日時】9月9日(土)午後1時~3時
【講師】柳澤綾(同大特任助教)
【定員】80人(先着順)
【場所】帝京科学大学本館
【申込み】TEL3880・5375足立保健所生活衛生課

写真上から①/7月23日に行われたシンポジウム=帝京科学大学で
②/自らケージに収まるようしつけられたワンちゃん
③/マイクロチップとそれを入れる注射器(下)、読み取り器(上) 
④/大きな愛情をもってしつけを=「アニマルシップ」の教室で