足立朝日

この本

掲載:2018年6月5日号
★「足立区のコト。」舟橋左斗子著/彩流社/1800円+税
 最近、足立区をメディアで目にする機会が増えた。「住みたい街」ランキングに北千住が入るなど、足立区はまさに「キテる」。一方で、いまだに「安い・治安が悪い・ヤンキー」の定型句で語られることも多く、「そうかなぁ?」とモヤモヤを感じることもしばしば。
 実のところ、足立区ってどうなんだろう? そんな疑問に答えてくれるのが、この本だ。昭和初期築の風情ある家で、家族と千住暮らしを楽しむ著者は、広告代理店勤務、フリーライター・フリー編集者から、足立区シティープロモーション課に任期付職員として5年間勤務。一区民としてだけでなく行政の視点からも、広く足立区の姿を掘り起こしていく。
 「足立は本当にヤバイのか」と題して治安や貧困などに切り込んだ次の章では、「食」「銭湯」「農」「ものづくり」「公園の多さ」など数々の長所が丁寧に語られる。その全てに共通するのは、「人の魅力」に尽きる。
 隅々まで足立区愛に溢れた深い洞察に、読後「住んでいて良かった」としみじみ思える1冊。