足立朝日

羅針盤 VOL.81

掲載:2018年6月5日号
「無言」と「管理」がこの世を跋扈しているね、と親友がぽつりと言った。曰く、電車に乗ると、みんな押し黙ってスマートフォンとにらめっこ。乗降時や移動する際には、一言も発することなく人を押しのけていく。「すいません」や「ごめんなさい」や「降りまーす」もない。エレベーターの乗り降りも、ほとんど同じ。まるでみんなロボットのよう。
 そして「管理」。手順通りにボタン押しが出来ないと、電子音で「早くやれ」と催促するATM。モタモタしていると「最初からやり直してください」。とにかく、考える余裕さえ与えない。
 これらは、お年寄りなどが、通帳や現金などをうっかり忘れないように作ったサインのはずだ。そんなに焦らせてどうする。 自転車に乗って、「駐車違反車はいないか」と警察官の代行でグルグル回っている人たち。全く車など走っていない道路でも、新聞や飲み物を買っているたった5分ほどの時間でも容赦ないんだよ、と友人。
 「いつからだろう。世の中がこんなにせわしく、息苦しくなったのは? 管理社会なんてゴメンだね」。小生もうなずいた。(編集長)