足立朝日

羅針盤 VOL.83

掲載:2018年8月5日号
 今回の1面「あだち散策」の取材は、小生にとって驚きが一杯だった。
 特にK・Sさんの野鳥や自然に対する真摯な姿勢に感動した。それは、都内では珍しい鷹の営巣、子育て、巣立ちをしっかりと見守る姿勢だった。
 「珍しい」「かわいい」の一心で、木や巣に接近してスマホやカメラを構える心無いカメラマンたちに怒っていた。彼らは、巣作りを始めた親鳥を驚かせ、2回も営巣を放棄させたのだ。
 朝8時頃来て、携帯のイスに座り、夕方まで、カメラを構えながら観察を続ける。大きく広げて羽を揺らす母鷹を見て「暑いからヒナに風を送っているんだよ」「今、オス鷹は餌を探しに行ってる。好物は雀」「ヒナには、カラスが最大の敵。だから逆にツミは、カラスが怖がる人の居るところに巣を作るんだ。同じくカラスが怖がるオナガも共生させる」……。
 7月20日過ぎ、成長が遅れた1羽のヒナが2回も3回も木から地上に落ちた。それを撮りに走る他のカメラマンを尻目に、柄の長い柄杓を調達して来て巣に戻してあげたK・Sさん。
 「我々はこのツミに世話になっているんだから。当たり前のことだよ」とポツリ。うーん、深い。(編集長)