足立朝日

読むだけでも癒される あだち銭湯文化普及会 冊子「あだちの街と銭湯と」完成

掲載:2018年9月5日号
 ページを開いているうちにふと、銭湯に行ってみたくなる。そんな本「あだちの街と銭湯と」が完成した。
 制作したのは「あだち銭湯文化普及会」。区内の銭湯は昭和40年代に約150軒あったが、現在はわずか32軒。「普及会」は「銭湯文化を次世代に残したい、伝えたい」との思いから、銭湯応援活動をしている民間団体「銭湯もりあげた~い」と、区内の銭湯組合・足立区浴場連合会(東京都公衆浴場業生活同業組合足立支部/森山篤代表)がタッグを組んで結成したもの。公益信託あだちまちづくりトラストの助成を受けて3年前から精力的に活動してきた。
 この本は区内銭湯の設備や歴史、店主の思いなどについて、丁寧に取材、調査を重ねた集大成となっている。
 銭湯と一口に言っても、それぞれの店によって外観や内装、浴槽の種類やサービスが異なる。そのバラエティに富んだ個性は銭湯の魅力であり、最近、若者の銭湯ファンが増えつつある理由の一つでもある。
 足立区の銭湯も実に個性的だ。昔ながらの寺社風の宮造り、ビルの中に温泉旅館風の露天風呂、浴室に観葉植物が溢れている銭湯もある。壮大な富士山のペンキ絵、ヨーロッパの古城のタイル絵、炭酸泉、超軟水、ハーブ湯、サウナなど奥が深い。
 それらを1軒1軒、ふんだんな写真とともに紹介。足立区の銭湯の年表、お湯ができるまでの仕組み、煙突の謎や銭湯の小物についての特集などもある。また、銭湯研究の第一人者。町田忍氏(日本銭湯文化協会理事)のエッセイ、数々のデザイナーズ銭湯を手掛けている一級建築士・今井健太郎氏と足立区出身の漫談家・風呂わく三氏の対談など、盛りだくさんだ。
 写真を眺めているだけでもやさしい湯気の気配に満たされ、お風呂気分が味わえる。昔の銭湯のイメージを持っている人は、ガラリと変わること間違いなし。「興味はあるけど、なかなか一歩が踏み出せない」という人の銭湯デビューにもピッタリの1冊。
 B5判、92ページ、オールカラー、500円。区内の銭湯で発売中(書店販売なし)。

写真上/銭湯に行きたくなる中面
下/銭湯の可愛い小物を紹介したページ