足立朝日

女団連 寄り添った8年間を残す 被災地支援の記録集完成

掲載:2020年6月5日号
 東日本大震災から9年――。多くの人々の中で過去の出来事になりつつあるが、未だ原発事故は収束しておらず、故郷を離れて生活している人たちがいる。
 足立区女性団体連合会(乾雅榮会長)はその痛みに寄り添い、震災直後から被災地支援を続けてきたが、昨年、福島県双葉町民のための拠点「双葉せんだん広場」(埼玉県加須市)の閉鎖を機に、活動を終了。その8年間の記録をまとめた冊子「被災地支援記録集~よりそい 顔の見える支援をめざして~」が完成した。
 A4、50ページの冊子には、活動報告として発行してきた「被災地支援通信」や新聞記事、携わってきた人たちのコメントなどが掲載され、それぞれの思いが丁寧に折り重ねられている。また、避難の経緯やアンケートなど被災者自身の声も綴られており、貴重な震災の記録ともなっている。
 女団連の支援は、被災地にボランティアとして入った元足立区職員・林美智世さんからの応援要請に応え、当時の鈴木圭子会長が募金や支援物資の提供を呼びかけたことから始まった。
 翌12年8月に女団連内に「被災地支援の会」(中村富美子代表/16年からは被災地支援活動に変更=碇屋はま子代表)を発足。宮城県石巻市訪問や女性フェスティバルでの被災地支援チャリティ、また13年からは原発事故で加須市に町ごと避難していた双葉町民の元を訪れ、埼玉県の支援団体とともに食事会や読み語りをするなど、物資・経済面だけでなく心の支えとなってきた。
 記録集発行責任者の中村富美子さんは、数年前から発行を決意。女団連3代目会長在任時に「活動は活字で記録に残さなければ時と共に消えてしまうと、身に沁みてわかった」と残すことの大切さを痛感したためという。
 昨年5月に編集委員会を発足。8年間支援活動を続けてきた7人が編集委員として、多忙な日々の合間を縫って奔走し、コロナ自粛による活動制限を乗り越えて無事に完成した。
 「活動を続けた中で、いただいたものの方が多かった。被災者の方からも、女団連の中からも、応援してくださった方からも。この記録集が出来て良かった」と中村さん。言葉に万感の思いが込もる。
 記録集は、Lソフィア(梅田7‐33‐11、TEL3880・5222/梅田駅徒歩3分)の資料室で読むことができる。

写真/様々な人の思いが詰まった記録集