足立朝日

丸山 征四郎さん(68歳)

掲載:2009年3月5日号
足立ピースフラワー合唱団指揮者
西伊興4丁目在住


 4月に開かれる足立ピースフラワー合唱団の「愛と平和を歌うコンサート」で、組曲「蟹工船」が初お披露目される。
 「蟹工船」といえば、不況下で今の若者たちから支持され、再び注目を集めているプロレタリアート文学だ。合唱団指揮者の丸山さんが、7曲からなる組曲に仕上げた。
 ある日、懇意にしている作詞家の門倉さとし氏から送られてきたのが「蟹工船」の詩だった。それを読んで「自分たちの生き方の問題として捉え直す必要があるんじゃないか」と、急遽コンサートでの予定曲を変更、作曲に取り掛かった。
 これまで生み出した曲は約500曲。サークル・鹿浜うたう会の会員たちが書いた身近な小さな詩に曲をつけるなど、全てボランティアだ。「遊びですよ。プロじゃないから難しい曲はできない。ひらめき」と謙遜するが、会員からは「きれいなメロディに惚れこんでいる」と尊敬の言葉が寄せられる。
 武蔵野音大声楽科を卒業後、43年間の音楽教師を務めた。その頃は丁度、中学が荒れていた時期。学校、地域、親が団結して、子どもたちを導こうと尽力。合唱の活動もその一つだった。
 「子どもたちが主人公になるいい授業をやろうと、むさぼるように曲を漁って、みんなで歌えるレパートリーを増やした」。教科書にない愛唱歌などを合唱曲に編曲、ガリ刷りで配った曲は100あまり。合唱に挑戦することで子どもたちに団結力や自治の気持ちが芽生え、学校がまとまっていったという。
 これまでテーマに合わせて様々な合唱団を結成。ぜん息患者の「青空合唱団」、200人の大合唱団による「紫金草物語」は、南京公演も行った。現在はボランティアで6つの合唱を指揮。花畑共同作業所の評議委員を務めるなど、社会福祉にも力を注ぐ。
 「部屋の中じゃなく外に出て、歌声を通じて平和を伝えていきたい」。歌が持つ力とやさしさが、今日も広がっている。
★「愛と平和を歌うコンサート」4月11日(土)午後2時開演、西新井文化ホール。一般999円、65歳以上・障害者・高校生800円。
問合せ☎3854・3653横川