足立朝日

江北村の歴史を伝える会会長 浅香 孝子さん(62歳)

掲載:2010年5月5日号
江北6丁目在住

五色桜は足立区の誇り

 先月末、浅香孝子さんはアメリカ・シンシナティ市で開催中のバタフライショーのレセプションパーティーに、親善大使として出席した。生物園で育てた蝶とともに、足立区から里帰り桜の穂木が贈られたことから、近藤区長に請われたものだ。
 かつて江北の荒川土手には里桜の見事な並木があり、いろいろな色の花が咲き競う様から「五色桜」と呼ばれていた。日本中を魅了したその歴史を伝えたいと、浅香さんが「江北村の歴史を伝える会」を発足したのは約5年前。
 会員の誰もが最初は手探りで、一歩一歩資料を探して勉強する地道な日々。浅香さん自身子どもの頃は、「親から『すごい、すごい』と聞かされて、そんなにすごい桜なら1本の木に5色咲くのかと思ってたの」と笑う。
 2年前、会の努力を結集した「江北の五色桜―荒川堤の桜ガイドブック―」を発行。これまでまとまった資料のなかった五色桜を伝える、貴重な道標となった。念願の五色桜資料館も、昨年ついに都市農業公園内に完成。不可能と言われ続けたことが、次々と実現した。
 「花ってすごいなぁ、と思う。アメリカとの友好の証(あかし)に他の国は軍事物資を贈ったのに、日本は桜。その時は軍事物資の方が喜ばれたろうけど、後になってみれば花の方が喜ばれて、今でもたくさんの人を楽しませている」
 だが、ワシントンの桜並木は有名でも、その故郷が足立区だということを知る人はほとんどいない。それを目の当たりにするたびに〝五色桜親善大使〟魂で、足立の桜の歴史を説いて聞かせる。
「生まれ育った足立区が大好きだから。足立区の誇りでもあって、大活躍した桜だから、活気を戻してくれたら」
 江北の先祖たちの桜への情熱や功績を蘇(よみがえ)らせる作業の先には、町おこしという大きな目標がある。今の夢は、舎人公園の千本桜、江北緑道、都市農業公園を桜並木でつなぐこと。
 教育委員長を経験し、今は町連女性分団長、民生推薦委員、保護司、区人権擁護委員など多忙な日々を送る。「頼りないから周りが助けなきゃ、と思ってくれるのかも」 明るく元気な花のような笑顔で、次々に夢の桜を咲かせていく。