足立朝日

PTA会長&校長奮戦記 その7

掲載:2016年5月5日号
綾瀬小学校(綾瀬3-12-15)
岡田浩明PTA会長&渡辺円校長


 綾瀬小でPTA会長を5年間務める岡田浩明会長は、渡辺円校長とタッグを組んでまる2年。「何事にも真摯に取り組んでくださる。とても穏やかな方だが、校長として2校目、5年間の経験から心の中に秘めた情熱を感じる」と渡辺校長を評する。
 同校では、2年に一度音楽会を開催。「幼い1年生からもうすぐ中学生の6年生まで、曲目や表現の仕方で違いがあり、とても良いなと思う。綾瀬小は児童数が多いので、音楽会や運動会はものすごいパワーで圧倒される。それが綾瀬小の良いところの一つ」と渡辺校長。
 岡田会長が渡辺校長と共に取り組んだ改革は、運動会時の保護者による場所取りの問題。特に昼食時、児童の演技が終わった後のスペースに保護者が殺到する場面もあり、危険を感じた岡田会長は、反対意見が出ることを承知で児童の安全を優先し、児童は教室で昼食を摂る形に改めた。渡辺校長が岡田会長を「客観的に物事を判断し、何事にも誠実に対応してくださる」と評する一面が、こういった決断にも垣間見られる。運動会後のアンケートでは多くの賛同意見が寄せられた。渡辺校長は「私は前任の網田校長と岡田会長との間で議論されてきたことを引き継いだだけ。先頭に立って動いてくださった岡田会長に感謝」と信頼の眼差しを岡田会長に向ける。
 渡辺校長は、子どもたちが「自分は大切な存在である」と思える「自己有用感」を大切に考えている。その一例は、校長室での子どもとのやり取り。取材時には、数人の子どもたちが担任に伴われ、校長室を訪れた。渡辺校長は、その子どもたちと様々な対話を試みて緊張を解きほぐし、コミュニケーションを図っていた。子どもにとってうれしい時間である。子どもたちもまた、渡辺校長をしっかりと見ていて「校長先生は校内を回って、授業をよく見に来てくれる」と信頼を寄せる。
 岡田会長は今年度、次期会長と交代。「これだけの規模の中で伝統的に行ってきたことの踏襲すべき点は守り、改善すべき点は実情に合わせて変えていくことが必要。改革は難しいが、継続してジワジワと浸透させてほしい」と自身の体験を踏まえてアドバイスを送る。

写真/誠実さで結ばれる岡田会長(右)と渡辺校長