足立朝日

PTA会長&校長奮戦記 その11

掲載:2017年2月5日号
第一中学校(千住河原町4-7)
小林雅行PTA会長&武田真男校長


 小林会長が、第一中PTA会長に就任した4年前は、同校もまた生徒指導に苦慮した時代。大人たちが奮闘する姿を見て、生徒たちの意識も変わり「学校を良くしたい」と自発的に学校生活の改革に取り組むようになった。それにより、「どの生徒もみんな仲間」という強い想いが芽生え、学校生活が苦手な仲間を生徒間で見守り、お互いを高めていくという素晴らしい関係が出来上がった。
 その一例が、早朝から行われる地域清掃ボランティア。全校生徒270人中、毎回約100人が参加し、地域の公園をメインに周辺の清掃活動に取り組む。当たり前のように生徒が集まり、黙々と活動。3年生がその三分の一を占めるという。
 「第一中生は何事にも主体的に取り組む」と胸を張るのは、昨春同校に着任した武田校長。「本校には3つの朝の部活がある。勉強部、読書部、ランニング部。生徒の提案により自主的に行われ、心の成長に繋がっている。地域の行事にも必ず生徒がボランティアとして関わっているため、各会場で生徒の活躍を見ることが楽しみ。生徒たちのお陰で、私も地域に繋がることができた。根本幸男副校長はじめ、生徒の活動に必ず付き添う教員たちの努力と想いがあってこそ、生徒たちも安心して活動できる」と生徒にも教員にも信頼を寄せる。
 小林会長は「PTAの成り手がない」という各校共通の悩みを打破すべく、同校PTAの仕事の洗い直しを実施。1年分の役割を明確にして、保護者が「これならばできる」と思える第1から第3までの希望を募り、自主的に活動できる方法に変えた。さらに「こんなことをやってみたい」という保護者の要望を聞き、実践できるように役員一同が協力。最近では、助産師を講師に「大人が学ぶ思春期の生と性」講演会が2年生保護者により開催されている。
 「PTA役員はコーデ
ィネーターであり、責任者は会長。皆さんには得意分野を発揮して楽しく活動してほしい。最終的にはPTAを完全ボランティア化することが目標」と小林会長は常に前を見る。
 同校のみならず、28年度足立区中学校PTA連合会会長としても36校PTA組織を牽引。小林会長の内に秘めた情熱は、さらに熱さを増している。

写真/情熱を秘めた小林会長(右)と武田校長