足立朝日

千住龍田町町会   鈴木敏(とし)会長(80歳)

掲載:2008年6月5日号
 西新井橋にほど近い千住龍田町は、昔梅田の明王院へ抜けていた龍田道があることから、この名がついた。町会は5部、計798世帯を要する。
若い人は街を愛する気持ちを持って
 鈴木会長は、10町会・自治会で構成される千住南部町会・自治会連合会の会長も兼任。ツーカーの鈴木信良会計と運営を見渡しながら、その若々しさで常に率先して町会活動に奔走する。「代行してくれる総務部がないから」と苦笑しつつも、「やっぱり陣頭に立たなきゃ、みんな動いてくれないでしょう」と頼もしい。
  住民同士の交流は良く、昨年の町内の犯罪件数、交通事故はともにゼロを誇る。交通部の祭礼行事等での交通整理や、防犯部員による月1回のパトロールの成果も大きい。

  隊員数10人の区民消火隊は、千寿第六小学校跡地でポンプ操法訓練を行うなど、地域の安全のために地道な活動を続けている。
  町会の目下の悩みは、児童公園内にある区の老人集会所の年内閉鎖だ。役員の会合のほかコミュニケーションの場としての役割は大きく、お年寄りの拠り所がなくなることへの不安が多い。
 このため、町会会館建設を予定しているが、建設費の高騰で当初の予算を大きく上回り、着手できずにいる。一昨年から資金集めのため、ボランティアで古紙回収を月1回実施。住民たちと町会員の業者が一致団結、一歩ずつ実現に向けて前進している。
 高齢化による一人暮らし増加への対策として、6年前に作成した独居老人の名簿を、新たに作り直す計画がある。個人情報保護の問題で難しいが、もしもの時の連絡網に役立った経験も多く、限られた役員が管理することで折り合いをつける。
  鈴木会長は「若い人たちに、積極的に街を愛する気持ちを持ってもらいたい。街づくりに関心を持って」と語る。「みんなが安心して両隣と付き合える街にしていきたい」。地域への力強い愛情が活動の原点にある。