足立朝日

89.「七面神社」 南花畑3-17-5

掲載:2017年11月5日号
 内匠橋近くの裏通りに綾瀬川に向かって建つ神社がある。区内唯一といわれる「七面神社」は、女性の神様であり「安産の神」と言われる七面大明神が祀られている。そのため「内匠地区にはお産で命を亡くした人はいない」という言い伝えも残っている。
 この地は芦川内匠という武将が開墾したとされている。この人物は、甲州の武田家に仕えていたが、武田氏滅亡後に弟2人と一族を引き連れてこの地にやってきた。そして一族の守護神として七面神社を祀ったのではないかと伝えられている。
 神社の土地は、もともとは近くに本家がある芦川家の所有地であり、境内には芦川家の墓地が存在する。
 神殿の中には2体の七面大明神のほか、稲荷神も安置。参道沿いには、手や口を清めるための水が流れる立派な盥漱石や、地域住民が願いを書いた絵馬が多数かけられた掲示版も設置されている。
 そのほか、車いすの人でも参拝できるように階段の横が緩やかな坂道になっていて、足の不自由な人にも優しい造りにな
っている。また、内匠本町児童遊園も併設されていて、すべり台と鉄棒があり子どもたちの遊び場にもなっている。
【交通】「西新井駅東口」からはるかぜ号「八潮駅北口」行きで「花畑小学校前」下車、徒歩約2分

写真上/住宅街に建つ七面神社
下/立派な盥漱石