足立朝日

85.「日ノ出神社」 日ノ出町37

掲載:2017年4月5日号
 荒川土手に近い日ノ出町団地の裏通りに、五穀豊穣の神様「倉稲魂神」が祀られている小さな神社がある。
 境内には、入口にある鳥居と小さな社殿、神輿庫のみだが、信仰の厚さを感じることができる次のような言い伝えが残っている。
 かつては稲荷神社と呼ばれ、清亮寺(日ノ出町42-1)の北東に鎮座していた同社。荒川放水路の開設工事が行われることになり、神社のある用地が川底に水没するため、村民の総意によって明治44年(1911)に西之宮稲荷神社(足立3-28-13)に神社を合祀することにした。
 しかし合祀したはいいが、村人たちが西之宮稲荷神社へ行くには荒川放水路を越えなければならず、行くのもひと苦労。そこで何とかならないかと考え、再度分祀して現在の場所に祀ることになった。
 戦前までは、西之宮稲荷神社の支社として祭事が行われていたが、戦後は一時廃れてしまっていた。その後、昭和28年(1953)に氏子一同の寄付によって社殿の改修と神輿の新調が行われることになり、その際に祭礼も復活して行った。
 これを機に西之宮稲荷神社から独立、現在の「日ノ出神社」と称することになった。
【交通】「北千住駅東口」から徒歩約8分

写真/神社入口にある鳥居は平成27年(2015)に新調されたばかりのもの