足立朝日

94.「長門八幡神社」 中川3-21-1

掲載:2018年7月5日号
 「長門八幡神社」は、亀有駅と都立中川公園のちょうど中間ぐらいの位置の住宅街の中にある。長右衛門新田の開発以降に、土地の人々の守り神として建てられていたのが始まりと言われ、明治初期の神仏分離により八幡神社と改称し、旧長門町内に祀られていたことから「長門八幡」と呼ばれている。
 御祭神は、誉田別尊。本殿は、昭和7年(1932)に氏子たちの浄財や用木の提供などにより再建された。また、老朽化のため平成8年(1996)に、4町内会の拠金によって木造総二階建ての社務所を建て替えた。1階が社務所と足立消防団第二分団第一部の防災資機材格納庫、神社と各町会自治会の神輿庫になっていて、2階は集会所になっている。
 その他、境内には文久2年(1862)の盥漱石、昭和18年(1943)の玉垣奉納者名が刻まれた石碑、この地から西南戦争に参加した「形山松五郎」の追悼碑などがある。
 玉垣の門柱には「八幡神社現代氏子総代」と刻まれていて、わざわざ現代という言葉を入れたところに、敗戦間もない中でも「俺たちはがんばるぞ」という気概が伝わってくる。
 かつては例祭の時に著名な芸能人を呼んで賑わうなど、地域の結束と信仰の篤さを感じることが出来る神社だ。
【交通】「亀有駅北口」からバス「足立区役所」行きで「亀有五丁目」下車、徒歩約11分

写真上/住宅街に建つ神社
下/形山松五郎碑