足立朝日

95.「(舎人)天神社」 舎人5-12

掲載:2018年9月5日号
 尾久橋通りと赤山街道がぶつかる交差点角にあるガソリンスタンドの裏側に、大きなクロマツの木が見え隠れしている。区の保存樹に指定されているそのクロマツが植えられているのが「天神社」だ。
 詳しい創建については不明だが、境内にある盥漱石に寛延4年(1751)と刻まれていることから江戸時代中期に出来た神社ではないかと伝えられている。また、奉納者として舎人町・入谷村・遊馬村(草加市)とも刻まれており、この三カ町村の鎮守格であったと思われる。
 祭神は、学問の神様として信仰され、「天神様」として親しまれる菅原道真公。境内の広さは約165㎡(約50坪)とやや小さめ。現在の社殿は、昭和61年(1986)に改築されたもので、本殿内に旧本殿が収められている。
 大正から昭和の初期頃までは、祭礼の際に神楽や囃子が奉納され賑わっていたが、時代と共に行われなくなっていった。
 境内の地続きに、廃寺となった西光寺の墓地が残っている。かつては、社殿の前に観音堂もあり、全体を囲むように小堀があって水が流れていたと言われている。
【交通】「舎人駅」下車、徒歩約5分

写真上/尾久橋通りから1本路地を入った場所にひっそりと建つ神社
下/立派なクロマツ