足立朝日

105.「入谷神明宮」 入谷4-7

掲載:2019年12月5日号
 入谷中学校そばの住宅街に建つ入谷神明宮は、元々この地で農家を営む福田家の屋敷神として、元禄年間に(1688~1703)誕生。祭神は、五穀豊穣や子孫繁栄の神様である天照大神。
 かつて入谷には鎮守がなく、この地域の人たちは舎人氷川神社の氏子として生活していた。そのため、村人は「自分たちの村にも鎮守が欲しい」と考え、享保6年(1721)に福田家の屋敷神を入谷の鎮守とし、入谷神明宮が祀られるようになった。
 それからしばらくの間は、入谷の鎮守ということで千住神社が同社を管理していた。しかし、明治以降に入谷地域に入谷氷川神社が勧請されると、同社は再び一族の手に戻り、福田家の氏神となり現在に至る。
 毎年10月16日が祭礼で、昔は屋台などが出て賑わっていた時代もあったが、現在は祭礼日にお供え物をする程度になっている。屋台が出ていた頃には、お酒に酔っぱらた人が日本刀を振り回すケンカがあったため、翌年から甘酒に変わったという逸話も残っている。
 その他、境内には社殿裏に稲荷社と平成元年に区の保存樹に指定されたイチョウなどがある。
【交通】「西新井駅」からはるかぜ3号「見沼代親水公園駅」行きで、「入谷西」下車徒歩約3分

写真上/鳥居は災害で倒れた経験から銅板が巻かれている
下/保存樹の瘤銀杏は悩みや苦しみを吸い取ると言われる縁起の良い樹木だ