足立朝日

ハイライト Vol.1 「倍賞千恵子コンサート2020with小六禮次郎」

掲載:2020年2月5日号
寅さんが見守る夫婦愛

 この6月、「倍賞千恵子コンサート2020with小六禮次郎」が西新井文化ホールで行われる。サブタイトルは「~深呼吸したら思い出した…。ありがとうふるさと、ありがとう、あなた。~」。
 小六は、東京藝術大学音楽学部作曲科出身の作曲家・編曲家で、CM・ミュージカル・オペラ・交響曲など、あらゆるジャンルの作品を生み出している。東京音楽大学教授であり、倍賞が深く信頼し、愛する夫である。
 倍賞は1957年、念願の松竹音楽舞踊学校に入学。1960年、首席で卒業し、松竹歌劇団(SKD)13期生として入団。ここで倍賞の才能がさらに開花。翌年には松竹にスカウトされ、松竹映画「斑女」でデビュー。1962年 には「下町の太陽」で歌手デビューし、同曲でレコード大賞新人賞を受賞。1969年、芸術選奨文部大臣賞、日本アカデミー賞、毎日映画コンクールキネマ旬報賞等、次々と受賞。それらの実績が評価され、2005年には紫綬褒章、 2013年には旭日小綬章を受章した。
 倍賞にとって大きな転機となったのは、1969年に第1作が公開された山田洋次監督による映画「男はつらいよ」。渥美清演じる寅さんの妹役「さくら」に抜擢された倍賞は、一躍「庶民派女優」として老若男女の「憧れの妹」となった。1996年に渥美が逝去し、国内外に激震が走ったが、第1作から50周年という節目を迎えた新春に、ファンの大きな期待を担って「男はつらいよ お帰り 寅さん」が上映され、お馴染みのキャストが生き生きと銀幕を彩った。
 6月のコンサートのサブタイトル「あなた」は、倍賞が小六、渥美、ファンらに贈る言葉だろうか。「お兄ちゃん、見守っていてね」「さくら、ここで聴いているよ。小六さん、さくらをよろしくな」……こんな会話が聞こえてきそうで、思わず胸が熱くなる。
【日時】6月21日(日)午後4時開演【場所】西新井文化ホール【料金】S席=6500円、A席=6000円、B席5500円、未就学児入場不可【チケット】2月6日(木)発売開始【問合せ】TEL5242・8161