足立朝日

No.107「西加平神社」 西加平1-1-39

掲載:2020年2月5日号
 首都高加平インターそばの環七通り沿いに建つ「西加平神社」は、六町の再開発に伴い平成28年に移築されたばかりの神社だ。祭神は蒼稲魂命と天照大神。
 かつて、綾瀬川以西の西加平、青井4~5丁目、綾瀬川以東の加平の地域で嘉兵衛新田が形成されていた。この当時の村の鎮守は、現在の加平3丁目にある天祖神社で、明治7年(1874)には村社に指定された。その一方で綾瀬川の西側は、渕江村方面への守り神として稲荷神社が存在していた。人口が増えて町会などができるようになった昭和29年(1954)に稲荷神社を法人化、昭和49年(1974)には首都高加平インター建設に伴い、建設現場近くにあった天祖神社を稲荷神社に合併して、西加平神社とした。
 昔は祭りも盛んで、綾瀬川東の天祖神社にある神輿を、西側の人たちが自分たちの地域を担いで練り歩いた後に、綾瀬川のところで東側に渡さなければならないのだが、名残惜しさに西側の人たちが中々神輿を手放さず祭りのたびに喧嘩が起きていたという。
 現在は、六町再開発などで多くの人たちが引っ越し、氏子も減ってしまい何十年も祭りを開催できずにいる。そのため、区内一大きいといわれる引き太鼓も倉庫に眠ったまま日の目をみない悲しい状態が続いている。再開発が終わり、多くの人々で賑わう地域に戻った際には、盛大な祭りが開催されることを期待したい。
【交通】つくばエクスプレス「青井駅」から徒歩約10分

写真上/首都高や再開発などで移転を繰り返しながらも地域に根付いている
下/都内でも10指の大きさと言われる引き太鼓