足立朝日

「大正記念道碑」

掲載:2007年11月20日号



「大正記念道碑」
  昭和40年6月(右)、平成19年10月(左)。
 この碑は千住宮元町29、墨堤通りの角、自動車教習所前にある。大正5年、西掃部堀が埋立てられて大正記念道が完成した際ここに建てられた。この道路は、千住大川町の氷川神社前から南に今も大正通りとして宮元町まで延びている。
  碑文の作者は明治の文豪・森鴎外で、その経緯を次のように記している。「千住は父がかつて住んだ所で馴染みがあり辞退するわけにもいかず、謂れを書いて与えた」と文の末尾にある。
  碑文は約400字の漢文でこの道の由来を説いている。裏面には当時の千住の名士の名が約200人刻まれている。
  この貴重な文化財について、現場にある説明板の記述は平易で行き届いてはいるが、参観者には全文の読み下し文と裏面の名前を別に表示して頂ければ喜ばれるのではないかと思う。
(文・資料提供=太田畯三さん・日ノ出町26在住)