足立朝日

Vol.223 「MYSTERY NIGHT TOUR 2022 稲川淳二の怪談ナイト~稲川怪談30年連続公演~」

掲載:2022年5月5日号
30年目の怖さ全開

 足立区制90周年記念「MYSTERY NIGHT TOUR2022稲川淳二の怪談ナイト~稲川怪談30年連続公演~」がこの10月、シアター1010で上演される。
 1993年8月13日(金)、お盆の深夜、当時では例を見ない異色の怪談イベント「川崎ミステリーナイト」が開催された。以来、ひと夏も立ち止まることなく継続してきた夏の風物詩は、多くのアーティストが公演開催を断念した2020年のコロナ禍においても、万全の感染症対策マニュアルを手探りで練り上げ、エンターテインメント界の先陣を切って全国ツアーを成し遂げた。
 そして、30年目の今年は、まだ暑さを引きずる10月に、「怪談爺ぃ」こと稲川が初出演のシアター1010の舞台を踏む。
 これから本当に怖い話が始まるのだろうかと疑うほどの柔和でフレンドリーな笑顔で登場し、短い挨拶や雑談を経て、徐々に徐々にあやし~い雰囲気に。恐怖のボルテージがピークに達する後半のシーンでは、稲川の顔が瞬時に豹変し、効果音と照明演出によって、怖さが倍増。会場の空気が冷え冷えと感じられ、まるで話の中の女性が、すぐ隣にいるような恐怖心がジワジワと押し寄せてくる。
 かつては、ラジオパーソナリティ、元祖リアクションタレントや俳優として活躍しつつ、怪談の世界に身を転じたが、稲川は工業デザイナーとしての肩書も持つ。「車どめ」で平成8年度通商産業省選定グッドデザイン賞受賞、レーシングカーや新幹線車内の検札機などのデザインも手掛けた。稲川の書く文字は、まるでパソコン入力のように正確で美しく、「稲川フォント」として注目を浴びている。心を込めて一文字一文字つむぐように、舞台での一話一話もサービス精神に溢れ、とにかく背筋が凍るほど怖い。
 その温和な性格で誰からも愛される稲川が、どのような怪談ナイトへ誘ってくれるか、ドキドキしながら心待ちしたい。
【日時】10月14日(金)午後4時30分、15日(土)午後2時怪宴 ※怪場は怪宴の1時間前、全席指定5800円※当日券6000円※フレンズ会員・足立区民割引あり。※未就学児入場不可【チケット発売日】5月20日(金)10時から ※窓口販売・予約引取開始=5月22日(日)【チケット・問合せ】TEL5244・1011