足立朝日

ハイライトVol.16 押尾コータロー アコースティックギターコンサート20th Special

掲載:2022年8月5日号
20年間の感謝を一音一音に込めて

 アコースティックギターの奇才・押尾コータローが、今年デビュー20周年を迎え、この9月、ギャラクシティ西新井文化ホールで記念コンサートを行う。同ホールの5年にわたる「想いを込めたオファー」が押尾のハートを射止め、満を持して開催にこぎ着ける。
 2002年、アルバム「STARTING POINT」で鮮烈なメジャーデビューを果たした押尾は、スイスのレマン湖畔で開催される「モントルー・ジャズ・フェスティバル」に出演。最高責任者のクロード・ノブスに見初められ、3年連続で同フェスティバルに参加したことが縁で、海外でのCDリリースの話が進み、早くも全米デビューを果たした。1~2年間隔でアルバムを作り続け、コロナ禍の2020年にはファン待望の「PASSENGER」を世に送り出した。サクソフォン奏者・上野耕平とのコラボ曲「冬の晴レルヤ」はじめ全15曲が収録され、その優しさと力強さに溢れた名曲は、心身共に疲弊した人々の心を温めた。アジア諸国での活躍もめざましい。
 この20年を振り返り、押尾はしみじみと語る。「スタッフが替わることなく、20年続けられてきたことに感謝。これまで当たり前にできていた仕事がコロナ禍でできなくなり、悲しさを実感。改めて今まで以上に誠実に音楽をやっていきたい、義務感ではなく心から音楽に向き合いたいという思いに駆られている」
 その想いを胸に、並外れたテクニックをもって西新井文化ホールの舞台に立つ。「コンサートでは、皆さんが20年間応援してくれていることへの感謝の気持ちを一音一音に込めて伝えたい。きっと初めて僕の演奏を聴く方もいると思うので『これぞ押尾コータロー』と思えるような演奏をしたい。ギター1本で、こんなにも色々な表現ができるという驚きや新鮮さを感じてもらえれば」
 当日は、人々へ活力を与える「翼~You are the HERO~」や、押尾が「これは外せない」と考える坂本龍一の名曲「Merry Christmas Mr. Lawrence~映画『戦場のメリークリスマス』より~」を堪能できる。演奏中に押尾が浮かべる微笑もまた魅力的で、心ときめくこと間違いなし。
【日時】9月11日(日)午後4時30分【料金】前売5500円、当日6500円他、未就学児入場不可【チケット】TEL5242・8161