足立朝日

ハイライトVol.18新春! 林家たけ平独演会

掲載:2022年12月5日号
寄席のにぎわい たっぷりと!

 足立区生まれの足立区育ち、生粋の足立っ子で江戸弁を自由自在に操る落語家・林家たけ平が来月、西新井文化ホールの新春の舞台を飾る。
 2016年3月に、帝国ホテルで「真打昇進披露」を行ってから6年、その洒脱な噺とイケメンさで、多くのファンに至福の時間を与え続けている。
 そもそもたけ平がこの道に入ったきっかけは、幼少時からの祖父との演芸場通い。職人であった祖父の仕事部屋には、いつも落語や昭和歌謡が流れ、古き良き時代のエッセンスを吸収した。
 東海大学文学部広報学科を卒業後、一度は企業勤めをしたが、落語恋しさに入った演芸場で、林家こぶ平(現正蔵)に釘付けに。その華のある噺と所作に魅了され、こぶ平のマネジャーとして再出発したが、素質を認められて落語家へ転身。超が付く厳しさで有名なこぶ平の元で修行して今がある。人気落語家ゆえに、弟子希望者が後を絶たないが、たけ平は「師匠と同じ厳しい修行を強いることになるから」と弟子は取らない。
 この道を拓いてくれた敬愛する祖父は、3年前に100歳で天寿を全う。たけ平が上梓した大作「よみがえる歌声――昭和歌謡黄金時代――」(ワイズ出版)には、祖父との想い出が詰まっている。
 さて、新春の独演会は、楽しいゲストが3人。まずは、涼やかな目元とソフトな語り口で、女性ファンも多い四代目三遊亭歌奴。続いて、動物物まね芸の二代目江戸家小猫。来春、五代目江戸家猫八襲名披露を控える。そして、太神楽の翁家和助(おきなやわすけ)。人間技とは思えない「動く太神楽曲芸図鑑」をYouTubeで公開中。
 このコロナ禍で、たけ平は強く思う。「寄席は落語家にとってのバロメーター。寄席でナマの落語を披露してこそ真価を発揮できる。新春は、皆さんに笑顔で過ごしてほしい。そんな願いを込めて、独演会ではあるけれど、寄席のプロフェッショナルを取り揃えて『寄席の雰囲気』をフルに醸し出したい。皆さんが西新井文化ホールで『寄席のにぎわい』を感じて楽しめるような舞台にしたい。 ぜひお越しを!」
【日時】令和5年1月8日(日)午後2時(開場1時15分)【料金】前売3000円(友の会料金あり)、当日3300円(共通)【チケット】TEL5242・8161