足立朝日

Vol.249 朗読劇「古事記」

掲載:2026年8月5日号
白石・風間が読み解く「古事記」

 「最初の日本人はこんなに楽しくてチャーミングだった!?」――まさにそう思える朗読劇「古事記」が9月、シアター1010に初登場する。
 天地創造の話でありながら男と女の愛の物語、そして戦いに燃える神々たちの情熱の物語。白石加代子と風間杜夫が、これまでのイメージを吹き飛ばす、神々の国生み奮闘記を面白おかしく贈る。原本・古事記、上演台本・演出は笹部博司、ステージングは中村蓉。
 現存する日本最古の書物で、日本の神話を含む歴史書でもある「古事記」。上中下の3巻から成り、天地の始まりから、日本初の女性天皇・推古天皇即位までが記されている。誰もが「古事記」の名を一度は耳にしていても、その崇高なイメージゆえに、1ページ目を開くチャレンジャーは多くはない。
 演出家の笹部もやり過ごしてきた一人であったが、何気なく「古事記」を手にした瞬間、その書き出しから目を奪われ、これまでの概念を覆された。さらに、数々の著者が記した「古事記」を読むうちに、その世界に魅せられていった。
 笹部は語る。「世界の神話の中でも、日本初の物語として、とても良くできている。登場する神々があまりにも人間的で、おかしみがあり、すぐカッとなったり、正義感を丸出しにしたり、間抜けであったり、嫉妬したり、現代の僕たちと同じでとても共感できる」
 例えば、イザナギとイザナミによる「国造り」。お互いの身体の作りを言い合い、足りない部分を補って国造りを提案するシーン。男女の営みの滑稽さが笑いを誘う。また、イザナギが「神聖な柱を左右に回り、出会って結婚しよう」と提案。「何と素敵な男でしょう」「何と素敵な女だろう」の言葉のやり取りの後に、イザナギが「女が先に言葉を発するのは良くない」と咎めるシーン。男性優位の「あるある」に思い当たり、思わず苦笑する。
 「今回は、天地の始まりから、初代・神武天皇まで一気に通したい。最初の日本人に会いに来ませんか?」――旧知の実力派俳優たちによる「笹部古事記」の幕が開く。9月12日(土)。13日(日)/午後2時
【料金】全席指定7700円▼足立区民(在住・在勤・在学)・フレンズ会員割引、U25チケットあり/未就学児入場不可。【チケット】TEL5244・1011