足立朝日

Vol.7 こういう飼い主こそ保健所へ!

掲載:2005年12月20日号
こういう飼い主こそ保健所へ!
 日本のように、犬を家の外で番犬という道具として飼う習慣はEUのほとんどの国では見られなくなった。鎖でつないで犬を飼うと、罰金刑の国もある。たとえばオーストリアを一つの例としてあげると、1995年から犬を鎖でつないで飼っていることが法律で禁じられ、罰金刑になっている。
 理由は二つ。
 一つは、動物愛護の視点から犬という生き物の性格を無視した飼い方だということ。もう一つの理由は、犬のストレスによる事件防止を促すためだ。家の外でつながれっぱなしにされている犬には、孤独感、愛情と運動不足によってストレスが溜まる。少しずつだけど、確実に溜まる。人間と同様、犬もストレスに我慢できる限界がある。その限界を越えた瞬間に鎖がはずれたり切れたりすると、予測のできない事件が起こり得る。
 通行人が、突然、理由もなく飼い犬に襲われ、噛まれて大怪我をする。日本では日常茶飯事。そしていつも犬が悪者扱いにされ、凶暴だという理由で殺処分されてしまう。待ってよ、本当の悪者は誰?と真剣に考えてみると、噛んだ犬が噛まれた人と同じ犠牲者だと明白になる! 間違った飼い方によって犬を危険な凶器に変身させ、他人に恐怖と怪我を追わせた飼い主が悪いのだ。問題解決のため、犬ではなく、こういう危険な飼い主こそ保健所で処分してもらいたい! (マルコ・ブルーノ)

飼い主によって大月保健所に持ち込まれたジョンとマルコさん