足立朝日

Vol.8 日本は毎年戌(捨て)年!

掲載:2006年1月20日号
日本は毎年戌(捨て)年!
 さッ、今年は戌年だ。犬を家族の一員として大切に飼っている人にとって、なんとなくワクワクするような一年の始まりだ。 
 元日からいろいろなテレビ番組に犬が登場し、日本って犬に優しい国だなァと思わせるような毎日。実行力よりパフォーマンス力の方が得意とする日本の政治家も犬を抱いての撮影会やイベントで大忙し。戌年にちなんで、年間1兆円の売り上まで成長してきた日本のペット産業の算盤をはじっている音が町中に響きわたる。なるほど、犬の話題で盛り上がっていることはけっこう。国民的なアイドルとして親しまれている瘋癲(ふうてん)の寅の言葉を借りて「けっこう、けっこう、猫は毛だらけ、ケツのまわりはクソだらけ」と言いたいところだが、派手やかな表舞台の裏には「けっこう」と程遠い現実が潜んでいる―― 日本の捨て犬問題!
 暦の上で戌年は12年間に一度しか訪れてこない。でも「戌捨て年」は毎年にやってくる。
 今日も、明日も、そしてそのつぎの日も、日本各地にある「動物愛護センター」で飼い主に持ち込まれた、又は職員に捕獲された犬たちが殺されるための順番待ちをしている。そして保健所で殺処分されている数倍の数が私たちの目の届かないところに捨てられてしまう日本。
 小泉さんよ、命を守るための構造改革をなぜやらないの? (マルコ・ブルーノ)

竹の塚団地に捨てられたタケとマルコさん