足立朝日

Vol.11 ペット持込禁止

掲載:2006年4月20日号
ペット持込禁止
 このようなフザケタ看板を見るたびに、私は血圧が上がるほど頭にくる。何がペットは家族の一員だ! 何がペットブームだ! 何が東京都の人と動物との共存をめざす! そして何だこの情のない差別的な言い方! まるでテロリストが危険な爆発物を持ち込もうとするような表現ではないか!
 普段はあまり気がつかないものだが、犬を飼い始めると「ペット禁止看板」がやたらと目に付くようになる。どこへ行っても、日本はペット禁止看板だらけ!
 ヨーロッパのように、愛犬と一緒にバスや電車に乗って出かけたり、レストランでご飯を食べたり休日を楽しんだりなどはできない。そしてこの国の施設のすべてがペット禁止になっている。散歩のついで役所に用事を済ますこともできない。ペット禁止の公園だって少なくはない。驚いちゃうね。
 ペットショップやホームセンターでの大量生体販売に関しては何の制限も設けていないのに、売られた後に制限と禁止地獄が待っている。
 例えば、車を購入したが、国中の道路が通行禁止のため、愛車が車庫に入れっぱなしになってしまうとどうする? あり得ない馬鹿みたいな話でしょう? しかし動物のことになると、そのあり得ない馬鹿みたいな話が象徴的な日本の現状となる。楽しいはずだった犬との共存が、けっきょく、おもしろくない留守番生活になってしまう。
 何でダメなのか? と聞いてみると、答えはいつも同じ……犬が嫌いな人もいるから!
 早い話、「動物が好き」と言いつつ、心の底では「犬を見かけたら石を投げろ!」と思っている日本人が多いということ。 (マルコ・ブルーノ)

足立区鹿浜で首つり虐待を受けたハナコとマルコさん