足立朝日

都営千住元町団地一・二号棟自治会 佐竹すみ会長(76歳)

掲載:2009年5月5日号
女性ならではの視点生かす

 西新井橋のたもと、荒川河川敷に面した住宅地にそびえ建つ都営千住元町団地。その一・二号棟220世帯の自治会をまとめるのは、佐竹すみ会長だ。

前任の細川高明会長退任後、会長不在の空白期があったが、婦人部長として積極的に10年を務めた実績を持つ佐竹会長が新会長に就任。とはいえ役職の内容が違うため、周囲の協力を得て試行錯誤を繰り返しながら丸4年が経過した。
 佐竹会長の提案は、女性ならではの視点が生き、実にユニークだ。例えば、5月に女性役員総出で作るゴキブリ団子。勿論、市販品を買えば一番手っ取り早いが、金額的にも高い上、住民一斉に行わなければ意味がない。「この行事のためにホウ酸10㎏を使用して、小麦粉や牛乳を加えながらクッキー作りの感覚で、女性たちが楽しんで手作りするの。全家庭に配布するので、ゴキブリをほとんど退治できました」と佐竹会長は笑顔で話す。
 運動会や夏祭りで実行委員を募集すると、老若男女がすぐに参集。夏祭りでは、名物のイカ焼きの下準備にも力が入る。総務、防犯、防火、婦人、厚生、保全各部の役員面々も、学校・警察・消防など地域での活動にも追われる佐竹会長を助け、会長の意図を汲んで積極的に動いてくれる。夫の一郎さんもまた良き理解者で、佐竹会長は「役員さんや夫が良いから私は会長をやってこれた」と感謝の気持ちを忘れない。
 地域の住区センターや保健所では、体力作りの「ほのぼの体操」が盛ん。それを自治会に持ち帰り、佐竹会長が住民に指導する。どこへ出向いても必ず何かを吸収し、それを役立てようとする心構えが素晴らしい。「何でも一生懸命やれば必ず実る」と微笑む佐竹会長。何事にも誠心誠意取り組みながら、次期会長が誕生する日を待つつもりだ。