足立朝日

都市再生機構 竹の塚第二団地自治会 山本英幸会長(65歳)

掲載:2008年3月5日号
 竹ノ塚駅沿線に広がる都市再生機構竹の塚第二団地。800世帯のコミュニティをまとめるのは、山本英幸・自治会長だ。
 組織は、副会長2人、青少年育成部、環境改善部、文化部、婦人厚生部と70歳以上の宝寿会で構成。1棟にひとりずつ計28人の役員が毎月の会議で論じ合い、そこでの内容を、87人の代議員が2カ月に1度確認し合うため、運営はスムーズだ。
 行事として、春は近くの栗六公園で桜祭り。夏は構内での盆踊り。転出した居住者の家族なども参加し2日間で1500人以上が集う。秋はさわやか祭り。居住者の6割は高齢者世帯のため、とっておきの出し物で人生の先輩たちに楽しんでもらう。冬は餅つき祭りが催される。
グローバルな視点で地域貢献
通常の活動として、子どものための「仲良し文庫」。敷地内の集会所にミニ図書館を設け、区の図書館の協力で、毎月50冊ずつ入れ替えする。毎週金曜日には、「ハッスル・パトロール隊」が出動。竹の塚署との連携で、地域を巡回。小学生の下校時には「見守り運動」で、子どもたちの安全を確保。いずれは、自衛消防団設立を考え、年1回の防火訓練も欠かさない。

  少子高齢化の波には逆らえず、かつて400人いた子どもも、現在は50人弱。それでも、駅に近い立地条件が幸いして、若い世代が越してくる。多くは、同団地の「ホームページを見て」だそうだ。「赤ちゃん誕生」のニュースには、山本会長自ら足を運び、赤ちゃんと対面。声を掛け合える信頼関係を結ぶ。現在は、子育て中の働く世代を考慮し、集会室での「子どもの居場所」開設のため、都市再生機構に交渉中。居住者の5%は独居高齢者のため、「お父さんのための料理教室」も開きたいと計画中。年2回の自治会報も自ら手掛ける山本会長は、某社の元新聞記者。フットワークの良さに納得だ。
 竹ノ塚駅の踏切事故以後、同団地が所属する淵江町会自治会連合会(古庄孝夫会長)を始めとする「高架化のための運動」が活発化。同連合会で会計監査を兼務する山本会長は、「グローバルな視点で地域発展に尽くしたい」と顔を引き締める。