足立朝日

Vol.21 「保安係」は「不安係」であった

掲載:2007年9月20日号
「保安係」は「不安係」であった
 ある日、玄関の脇に紅白のビニールテープで閉じられた大きな段ボール箱を発見。
  誰だろう……人の家の前にゴミを置いていくなんて?! 箱を片付けようとしたところ、突然、箱の中身が動いた。マサカ!! そう、そのマサカだった。誰かが、生き物を我が家の玄関脇に捨ててしまった!
 動物を捨てるという行為はれっきとした犯罪。証拠品の箱をそのままにし、110番に通報した。ちょうどそのとき、箱に入っていたゴールデン・レトリーバーの子犬が自力で箱の蓋をやぶって顔を出してきた。まだ3~4カ月の可愛い子犬だった。
  しかし、何度110番をしても、犬だから誰もきてくれない。
 「犯罪の取り締まりを拒否することが職務怠慢の行為ですぞ! マスコミに訴えるしかないね、この経緯!」と脅かしたところ、応対していた担当者の態度ががらりと変わった。15分後、警官が自転車に乗ってやってきた。現状を説明し、私は子犬を我が家で保護し、犯罪の証拠品である空き箱を警官に持って返させた。
  すると数日後、「飼い主が分かった」という内容の電話がN警察から入った。
  スゴイッ! やれば、できるじゃないか、日本の警察!
  しかし警察の保安係の説明を聞かされたとき、喜びが一瞬に吹っ飛んでしまった。
 「飼い主の話によると、購入した当日に子犬が杉並区で盗まれた。犯人がペットシーツの箱に子犬が入っていると知らずに持ち去ったと思われる。あとになって犬の始末に困って、動物ボランティアをやっているマルコさんの家まで運んで置いた。」
  なにそれ?! アホらしくて、返す言葉もなかった。
  子犬が入っていると知らずにペットシーツの箱を盗む泥棒? ボランティア団体を調べる泥棒? 盗んだ犬をわざわざ足立区まで運んでくる泥棒?
  こんな見え透いた作り話を警察がマジに信じるのかよ?
 動物愛護法には動物を捨てたり放置したりする行為が罰金刑の犯罪であると明記されている。にもかかわらず捨て犬の多い日本で捕まった人もいなければ、罰金刑になった犯人もいない。なぜか分かる?警察がだらしないからだ!!(マルコ・ブルーノ)
◎N警察の2階の部屋の入り口に「保安係」ではなく「不安係」という看板をつけた方がピッタリだ!
◎N警察の2階の部屋の入り口に「保安係」ではなく「不安係」という看板をつけた方がピッタリだ!


動物を捨てるという行為は犯罪です!