足立朝日

前保木間親睦町会 須賀善一郎会長(73歳)

掲載:2009年9月5日号
町会内に「箕濃が谷囃子保存会」

 かつて保木間、西保木間、竹の塚一部の町会の統合により組織された前保木間親睦町会。その約450世帯をまとめるのは須賀善一会長。町会名に前がつくことで、「前(ぜん)町会長だと思われてしまう」と苦笑する。

地域の氷川神社を巡る町会は、増田橋から水神橋まで10町会があり、中心の神社に近いという意味での「前」のようだ。
 同町会の大きな特徴は、文化部の中に「保木間箕濃が谷囃子(みのがやばやし)保存会」を有していること。同会は、足立区郷土芸能保存会にも登録され、町会内外の行事の際には引っ張りだこの人気。明るく華やかな調べは、訪問する先々で喜ばれている。
かつては須賀会長も、笛や太鼓の奏者であったが、現在は息子の義幸さんと孫の善彦さん(都立白鴎高校1年)が継承。保存会では河内孝平さんが熱心に指導し、後継者を育てている。
 9月12日、13日には盆踊りが開かれるが、ここでも箕濃が谷囃子が大活躍。13日は、神輿と子ども用の引き太鼓を持つ同町会ならではの祭りが楽しめる。
10月末は同町会の発会の日。それを記念して、毎年11月初めに70歳以上の会員を対象に、渕江住区センターで敬老会を開く。年代に応じた記念品を贈り、婦人部が心尽くしの料理や踊りなどでもてなす。
 多くの町会では、会員数の増加を課題とするが、須賀会長はあえて強く勧誘はせず、魅力的な町会を維持し、自然加入を目指す。むしろ、いかに若い世代を町会役員に取り込むかを課題とするが、該当年代は働き盛りのため、現在は50代の青年部に望みを託しつつ、全役員で町会を盛り上げる。
 須賀会長自身も、渕江町会自治会連合会(古庄孝夫会長)の総務部長や、民生委員渕江地区会長などを兼任。多忙な日常の束の間に、趣味の詩吟で心を癒す。