足立朝日

9.稲荷神社(千住河原町)

掲載:2009年9月20日号
千住河原町10―13
氏子=千住河原町 千住市場守護神


 ご祭神は倉稲魂命(ウカノミタマノミコト)。
 創建は不祥。安永5年(1776)本殿遷宮、文化元年(1804)拝殿が造営された。河原町の鎮守様であり千住市場の守護神。

 











明治39年に、千住青物市場創業330年の祝賀会が盛大に挙行され、神宮皇后の山車と大蕪の山車を造り太鼓をつけ、打ち鳴らして町中を引き廻した。大蕪の山車は高さ約3m、同周り約5m半もあったという。
 また、足立区有形文化財となっている千貫神輿は金銅の金具で一面に装飾された木造漆塗の大型神輿。明治初期の作品だが江戸神輿の形式を受けつぎ細工や装飾も見事で美しい。高さ約2・40m。通称千貫神輿と呼ばれるが実際の重量は450貫で、豪壮な装飾から呼ばれたようだ(1貫=3・75キロ)。境内には4mの創業記念碑もある。
 大きな狛犬は、足立区最大の狛犬で、自然石を組み上げた上に鎮座させている阿吽の一対。口を開けている方が阿で雄、口を閉じているのが雌。浅草神社の狛犬が同じ石工の作と言われる。また、嘉永3年(1850)鋳造の天水桶は、地域の人々の名前が記名されている。
 境内には、千寿七福神の「福禄寿」もにこやかに座す。
 大祭は正月、5月、9月の22日で、正月はみかんを撒いたそうだ。現在は節分祭に併せて行われる。また毎月22日の月次祭に釜鳴りの神事が執り行われる。問合せTEL3888・6902倉光秀尚宮司。


写真上=社殿
写真中=足立区で1番大きな狛犬
写真下=千寿七福神の「福禄寿」


※都神社庁発行の掲載名簿順に順次掲載。次回は宮元町・千住神社