足立朝日

Vol.36-梅沢武生劇団 座長 梅沢 武生

掲載:2006年3月5日号
 3月4日から、区民待望の「梅沢武生劇団・梅沢富美男のスペシャルライブ」がシアター1010で始まった。ご存知、心ときめく立ち姿の座長は、兄の武生、艶やかな女形は弟の富美男。千住と梅沢劇団の縁は深い。千住寿町にあった「寿劇場」は、剣劇の大スターであった父故・清と、娘歌舞伎出身の母故・竹沢龍千代が、40年前に大衆演劇の拠点として演じていた懐かしい場所。今回、当時と同じ気持ちに戻ってシアター1010の舞台に立つために、チラシにも「原点」の2文字を刷り込んだ。
           

      兄・武生(パンフレットより)        弟・富美男
両親ゆかりの地で原点の公演
 23年前に同劇団は、市川森一脚本のテレビドラマ「淋しいのはお前だけじゃない」(第15回テレビ大賞受賞)のモデルになり、武生は出演者らに踊りなども指導。富美男は「夢芝居」の曲で歌手デビューも果たした。当時の三人が、約10年ぶりにシアター、1010で再会する。
  11日までの8日間の興行はゴージャスそのもの。毎日演目が変わる上、第1部「時代人情劇」、第2部「梅沢富美男オンステージ」、第3部「座長口上」、                若い頃の兄(右)と
                                            弟の特ダネ写真!

第4部「花の舞踊絵巻」、第5部「舞踊バラエティー」と山盛りのエンタテインメント。日替わりの第1部は、本日5日「東男に京女 揚巻六助」、6日(月)「雪の夜の捨て子」、7日(火)「故郷の錦絵」、8日(水)「母紅梅」、9日(木)「大相撲 男の土俵」、10日(金)「富美男の意地悪婆さん」、そして千秋楽の11日(土)は、「秘密の特別企画」を予定。そのほとんどは、兄の手による作品。毎回登場する「怪獣」には度肝を抜かれるはずだ。約20人の団員が、入れ替わり立ち代わり現れる早業に、大人数の団員がいる錯覚に陥る。「黙って俺について来れば大丈夫!」と団員に宣言する「頼れる親分」の姿が、舞台でも炸裂。
 梅沢兄弟が敬愛する「お父ちゃん」と「お母ちゃん」が、劇場の神様となってにこやかに公演を見守ることだろう。