足立区出身の名女優・小川眞由美が、ふるさとの舞台に立つ。2月17日(金)~26日(日)、シアター1010で上演される「ベルナルダ・アルバの家」(平成17年度芸術文化振興基金助成事業、18年都民芸術フェスティバル参加公演、シアター1010製作)で、残酷なまでに誇り高い名家の女主人・ベルナルダを演じる。スペインの偉大な詩人で劇作家のフェデリコ・ガルシア・ロルカのこの作品(訳・田尻陽一)を、高瀬久男が演出。美術は朝倉摂、照明は沢田祐二という豪華スタッフ。アングスティアス(富沢亜古)、マグダレナ(かんのひとみ)、アメリア(入江純)、マルティリオ(鬼頭典子)、アデラ(占部房子)ら5人の娘をはじめ、母親(竹田恵子)の人生まで自分の手の中に納めようとする冷酷なベルナルダ。娘たちへ非情な言葉を浴びせ、プライドと心をズタズタに引き裂く。ベルナルダに尽くすラ・ポンシァ(山本道子)や女中(中川雅子)、村人の誰にも心を許さず、己の生き方のみを信じる。
ふるさとの舞台で迫真の演技
この台本を手にして、小川は複雑かつ楽しげな心境で語る。「神に殉じ神に雷(いかづち)を下されるサスペンス溢れる怖~い芝居です。そして、私の役は杖で家族を抑圧する怖~い女です。こんな役はもうこりごり……でも、いつかもっと恐ろしい女をやっているでしょうね」
稽古はかなりハードだ。小川は一心不乱にベルナルダ役に挑戦中。入り込めば入り込むほど迷宮のようだ。「三幕を一気に一幕で 写真=稲越功一
煮詰めようという次第で、息つく暇もありません。台本を読んだ時から、肩にグリグリが出来始めました。この役に、千秋楽があるなんて思えない!」
そんな稽古三昧の生活を送りながらも、梅田の実家でのお下げ髪時代を思い出す。「映画館、手焼きせんべい、ビー玉、メンコ、羽子板、魚屋さんから立ちのぼる焼き物の匂い、そして、ご町内のおじさん、おばさんたちの笑顔」
梅田の古くからの住人は、見知った少女が成長して女優として活躍する姿を誇らしげに思う。上演中の客席に、小川もまた懐かしい顔を見出すことだろう。シアター1010の黒塗り舞台に立つ思いを、小川は楽しげに語る。「素晴らしい劇場を造ってくださり、私も名誉に感じます。声の通りが良く、懐が深く、それでいながらお客様と一体感があります。年に1回は、皆様のコールで、ぜひ出演させてください!」
チケットセンター℡5244・1011。
ふるさとの舞台で迫真の演技

稽古はかなりハードだ。小川は一心不乱にベルナルダ役に挑戦中。入り込めば入り込むほど迷宮のようだ。「三幕を一気に一幕で 写真=稲越功一
煮詰めようという次第で、息つく暇もありません。台本を読んだ時から、肩にグリグリが出来始めました。この役に、千秋楽があるなんて思えない!」
そんな稽古三昧の生活を送りながらも、梅田の実家でのお下げ髪時代を思い出す。「映画館、手焼きせんべい、ビー玉、メンコ、羽子板、魚屋さんから立ちのぼる焼き物の匂い、そして、ご町内のおじさん、おばさんたちの笑顔」
梅田の古くからの住人は、見知った少女が成長して女優として活躍する姿を誇らしげに思う。上演中の客席に、小川もまた懐かしい顔を見出すことだろう。シアター1010の黒塗り舞台に立つ思いを、小川は楽しげに語る。「素晴らしい劇場を造ってくださり、私も名誉に感じます。声の通りが良く、懐が深く、それでいながらお客様と一体感があります。年に1回は、皆様のコールで、ぜひ出演させてください!」
チケットセンター℡5244・1011。