ファン待望の白石加代子「百物語」が、シアター1010の特別企画として、同劇場で上演される。2月9日(木)は、浅田次郎「うらぼんえ」、阿刀田高「干魚と漏電」、和田誠「おさる日記」の特別編。10日(金)は第二十三夜として、夢枕獏「首」、朱川湊人「栞の恋」。両日共に午後7時開演。
構成・演出は、「岸辺のアルバム」「ふぞろいの林檎たち」などのテレビドラマの名作も手がけ、エッセイストとして著書が多い鴨下信一。プロデュースは「奇跡の人」「身毒丸」「クラリモンド」などのヒット作品を手掛けてきた笹部博司。この三者の感性の融合が、怪しげで悲しく愛しい舞台を創り上げる。
白石は、早稲田小劇場(現SCOT)の元看板女優。情念の世界を得意とし、台詞を頭に叩き込んで舞台に臨むのを当然と考えていた白石は、台本を持ったまま舞台に上がるというスタイルに驚愕。今は流行の「ドラマ・リーディング」だが、92年当時はまだ未知の世界。徹底的にエンターテイメントを追求する笹部と、日本語の言葉そのものにこだわりを持つ鴨下との作品選びが始まった。
「百物語・第一夜」で、「如菩薩団」「五郎八航空」を提供した筒井康隆は、怖くて椅子の肘掛を握り締めていたという。それは、白石の表現が怖いということではなく、彼女の朗読は作家にとって「ごまかしようのない批評」に感じられたからだ。第十五夜で「ミミ」を提供した小池真理子は、白石の読みでもっと的確な表現を暗に示唆されたように思えたと語ったという。
現在、作品は79作。笹部は白石を「山を1合目から登り、全部の景色を体験する人」と称する。「それが自分の体質。知らずにモットーとしているのかしら」と白石。自分の鮮度に敏感で、常に白紙から次の作品へと挑む。第七夜で、 岡本綺堂の「影を踏まれた
女」を上演中、「力まずにフンワリと立っている自分に満たされていくのを感じた」という。それ以来、「2人からきた話は、自分の体を通じて全てやっていくと決めた」と、相棒たちに絶対の信頼を置く。笹部が言う「エンターテイメントをオブラートに包んだ隠し味」を、二夜にわたって楽しめる。チケット ℡5244・1011。
構成・演出は、「岸辺のアルバム」「ふぞろいの林檎たち」などのテレビドラマの名作も手がけ、エッセイストとして著書が多い鴨下信一。プロデュースは「奇跡の人」「身毒丸」「クラリモンド」などのヒット作品を手掛けてきた笹部博司。この三者の感性の融合が、怪しげで悲しく愛しい舞台を創り上げる。
白石は、早稲田小劇場(現SCOT)の元看板女優。情念の世界を得意とし、台詞を頭に叩き込んで舞台に臨むのを当然と考えていた白石は、台本を持ったまま舞台に上がるというスタイルに驚愕。今は流行の「ドラマ・リーディング」だが、92年当時はまだ未知の世界。徹底的にエンターテイメントを追求する笹部と、日本語の言葉そのものにこだわりを持つ鴨下との作品選びが始まった。
「百物語・第一夜」で、「如菩薩団」「五郎八航空」を提供した筒井康隆は、怖くて椅子の肘掛を握り締めていたという。それは、白石の表現が怖いということではなく、彼女の朗読は作家にとって「ごまかしようのない批評」に感じられたからだ。第十五夜で「ミミ」を提供した小池真理子は、白石の読みでもっと的確な表現を暗に示唆されたように思えたと語ったという。
現在、作品は79作。笹部は白石を「山を1合目から登り、全部の景色を体験する人」と称する。「それが自分の体質。知らずにモットーとしているのかしら」と白石。自分の鮮度に敏感で、常に白紙から次の作品へと挑む。第七夜で、 岡本綺堂の「影を踏まれた
