シアター1010初春新派公演が、1月3日(火)~9日(月)まで同劇場で行われる。演目は、久保田万太郎・作、青井陽治・演出の下町情緒たっぷりの「ふりだした雪」。舞台は、昭和初めの深川。薄幸の「おすみ」(波乃久里子)は、煙草屋を兼ねた荒物屋の伯父「傳蔵」(柳田豊)の家でひっそりと暮らす。そんなおすみを見初めた「治平」(松村雄基)と、別れた夫「柳太郎」(六平直政)との葛藤を知らず、伯父のために静かに縫い物に没頭するおすみ。ふりだした雪が、それぞれの悲しい運命を象徴する。何気なくも研ぎ澄まされた台詞の応酬が、すれ違う男と女の心の機微や、脇役の男性陣の存在にもスポットライトを当てる。万太郎作品特有の「間」の取り方が課題となる秀作を、各役者がどのように演じるか期待。
おすみを演じる波乃久里子は、水谷八重子と共に新派を代表する華。波乃にとって、新派は「命」であり、受け継いだ伝統を次世代に伝える使命を担う。この作品を、「叙情的なリアリズム。動きを殺して、深いところでのお芝居」と感じている。演技の中で裁縫の場面があるため、「浴衣を縫って練習している」と意欲を示す。波乃は、自他ともに認める「潔癖症」で、年末のゴミ収集が終わってしまったある日、どうしてもゴミを捨てたくて、タクシーでゴミ処理場へ持参したというユニークなエピソードを持つ。その几帳面さが、今回のおすみ役に相応しい。稽古も順調に進み、「六平さんは、一家にひとり居てほしい楽しい人。松村さんとは初共演ですが、目のとてもきれいな人」と相方への印象を語る。
新派初春公演の恒例により、尾上流家元・尾上菊之丞の構成・振付「新春花くらべ」も上演。猿若明石の舞踊名を持つ波乃を中心に、若手女優陣が艶やかな総踊りを披露する。前回の「あぢさゐ」(水谷八重子主演)に引き続き、今回もS席+濱田屋「屋形船スペシャルセット」も格安で販売。「嫌なニュースが多い世の中。新派の舞台で、ぜひお正月気分を堪能してください。終演時間も早いので、千住の町へ繰り出して、楽しいひとときを」と、波乃から区民へメッセージ。チケットセンター℡5244・1011。
おすみを演じる波乃久里子は、水谷八重子と共に新派を代表する華。波乃にとって、新派は「命」であり、受け継いだ伝統を次世代に伝える使命を担う。この作品を、「叙情的なリアリズム。動きを殺して、深いところでのお芝居」と感じている。演技の中で裁縫の場面があるため、「浴衣を縫って練習している」と意欲を示す。波乃は、自他ともに認める「潔癖症」で、年末のゴミ収集が終わってしまったある日、どうしてもゴミを捨てたくて、タクシーでゴミ処理場へ持参したというユニークなエピソードを持つ。その几帳面さが、今回のおすみ役に相応しい。稽古も順調に進み、「六平さんは、一家にひとり居てほしい楽しい人。松村さんとは初共演ですが、目のとてもきれいな人」と相方への印象を語る。
