新年のこの時期に、夏の行事を見据えてあれこれと企画を練っている人たちがいる。若者たちを取り込んで、3年前初めて伊興地区の大境公園で「GO!GO!サマーフェスタ」を開催した伊興町自治会メンバーと地元有志たちだ。同自治会では役員不足のため、3年前は盆踊りが中止になった。「そのままでは子どもたちが可哀想だ。何か代わりになることを」と立ち上がったのが、青少年対策部長の志田洋幸さんと副部長の阿出川昌浩さん。とは言え、盆踊りの中止が決定したのは6月末で、夏祭りは目前。まずは、子どもたちが活躍できるフェスタを開こうと、地域の学校への挨拶回りに奔走した。事情を聞いた地元で工務店を経営している似鳥進さんが資材を提供、渡辺広一さんが舞台設営に協力してくれて、手作りの舞台が完成した。
1回目は西伊興小ブラスバンドをゲストに、当時第十四中おやじの会会長の渕上隆さん始め、育成会など地域の関係者の協力を仰いで実施にたどり着いた。舞台にライトもセットされ、出場者も演奏・ダンス・おやじバンドなど、どんどん増えていった。女性たちから「やはり盆踊りをやりたい」と希望があり、2回目はフェスタの中に盆踊りの時間を組み込んで、あらゆる年代で楽しんだ。予算は、同自治会が援助を買って出てくれた。
3回目の昨年は、川原井繁副会長が「地域の底力再生事業助成」を都に申請し、見事助成金をゲット! 同自治会の夏祭りとサマーフェスタを2本立てで実施した。栗原北小吹奏楽団、東伊興小金管バンド、西伊興小ブラスバンド、第十四中吹奏楽部・邦楽部などに加え、CDデビューしたNOXAH(ノア)の面々も登場。舞台上には常に若者が溢れ、次々と演奏やダンスを繰り広げた。屋台もおやじの会や育成会の協力で、焼きそば・たこ焼き・かき氷などが揃い、フェスタを盛り上げた。
これら3回の経験を生かし、今年はどのようなフェスタを行うか、関係者一同わくわくしながら早くも構想を練っている。その資料となるのは、同自治会の近藤宏一さんが3年間にわたり撮り溜めた写真と、フェスタの様子を編集したCD。 地域の行事に子どもや若者の姿が溢れることは、高齢化しつつある自治会・町会にとっては重要課題。2年目・3年目のフェスタ実行委員長を務めた阿出川さんは、「今はどの自治会・町会も、役員のなり手の確保が課題。でも若者は、趣向を凝らせば行事に参加する。若者に活躍の場を与えることが大事。未来の地域の担い手として育てる方法を、参考にしてもらえるとうれしい。『GO!GO!』の意味は『行け行け』と『伊興・憩う(行こう)』をかけたもの。いずれは舎人公園を借り切って、足立区名物のフェスタにすることが夢」と朗らかに笑った。
写真上/昨年行われた「GO!GO!サマーフェスタ」で高らかな演奏を披露する栗北小吹奏楽団=大境公園で(写真提供=近藤宏一さん)
写真下/阿出川さん(右)と川原井さん(左)=(有)オフィス松岡で











