足立朝日

羅針盤 VOL.87

掲載:2018年12月5日号
 「木枯らし一号」が吹かないまま12月に入った。気象庁の長期予報の通り、暖冬の気配が濃厚である。間違いなく、地球温暖化現象なのだろう。
 そろそろ「一年の総決算」の時期。人によっては、忘年会、年賀状書き、すす払い、大掃除など、すべてを「暮れの風物詩」などとのんびり構え、歓迎している向きもあるようだが、一番あわただしくて、スケジュールに追いかけられるのがこの時期で、小生などは一番嫌いなのがこの12月である。
 あの清少納言などは「枕の草子」の第二段で、「ころは正月、三月、四月、五月、七八九月、十一二月、すべてをりにつけつつ、一年ながらをかし」として「こんなに並べると……一年中好きと言うことになる」と書いているが、二月、六月、十月をさらっと抜かしているのが面白い。
 「これらの月は余り好きではないのか?」と詮索してしまうが、「枕の草子」や清少納言を研究している方がいたら、教えていただきたい。
 ご存知の通り、当時は旧暦で、行う行事・風習は同じでも、気候的には、これにプラス1・5カ月を足した方が新暦と合う。
 いずれにせよ、この12月、「終わり良ければすべてよし」で行きたいものだ。(編集長)