梅雨に入り、紫陽花(アジサイ)が咲き乱れる中、織姫と彦星(牽牛)が1年に1度の逢瀬を楽しむ7月7日の七夕がやって来る。
7月に入った。季節は、しとしと雨や篠突く雨をくぐり抜けて、真っ直ぐに「真夏」に向かって行く――。
七夕は7月7日、そして紫陽花は、七変化と言われるほど色が変わる花。7月はつくづく7に縁のある月だ。
例の「おくの細道」によると、旧暦3月(新暦5月)に足立区千住を出発した松尾芭蕉はこの頃、山形県鶴岡市から越後路(新潟県)に入り、糸魚川市に到着。芭蕉は「暑さや雨にやられて疲労困憊、持病が起こった」と記している。そして、ここで詠んだ有名な句が「荒海や佐渡に横たふ天の川」である。
角川書店編の解説によると、この句は「『おくのほそ道』随一の絶唱」で「単なる実景描写の句ではない」そうだ。
佐渡島は、古くは流刑地として、悲しい歴史を秘めた孤島。芭蕉は牽牛で、佐渡島は織姫に見立てられ、渡りたくても渡れない病の自分を投影して詠まれた、と解説する。日本海と天の川、牽牛と織姫の対比。正に「俳聖」芭蕉でないと詠めない句である。ああ―。(編集長)
7月に入った。季節は、しとしと雨や篠突く雨をくぐり抜けて、真っ直ぐに「真夏」に向かって行く――。
七夕は7月7日、そして紫陽花は、七変化と言われるほど色が変わる花。7月はつくづく7に縁のある月だ。
例の「おくの細道」によると、旧暦3月(新暦5月)に足立区千住を出発した松尾芭蕉はこの頃、山形県鶴岡市から越後路(新潟県)に入り、糸魚川市に到着。芭蕉は「暑さや雨にやられて疲労困憊、持病が起こった」と記している。そして、ここで詠んだ有名な句が「荒海や佐渡に横たふ天の川」である。
角川書店編の解説によると、この句は「『おくのほそ道』随一の絶唱」で「単なる実景描写の句ではない」そうだ。
佐渡島は、古くは流刑地として、悲しい歴史を秘めた孤島。芭蕉は牽牛で、佐渡島は織姫に見立てられ、渡りたくても渡れない病の自分を投影して詠まれた、と解説する。日本海と天の川、牽牛と織姫の対比。正に「俳聖」芭蕉でないと詠めない句である。ああ―。(編集長)