足立朝日

新体操クラブ「TESORO」 全国大会で念願のメダル 全員が潤徳女子高生

掲載:2019年11月5日号
 区内の新体操クラブ「TESORO」(吉田桃子代表)の高校生チームが、10月18日(金)~20日(日)の第72回全日本新体操選手権大会(千葉ポートアリーナ)で、種目別ボール3位、フープ・クラブ4位、総合8位入賞を果たした。大学生も出場している中での初のメダル獲得は、クラブ創設(2003年)以来の快挙だ。

 日頃からのチームワークを育むため、メンバーは全員、潤徳女子高校に通う。学校の新体操部でも週2回の活動をしているが、体育館は天井が低く本格的な練習はできないため、毎日区内のスポーツ施設で研鑽している。
 新体操は、ボール、フープ(輪)、クラブ(こん棒)、リボン、ロープの5種目があり、指定種目で臨む。手具を互いに投げ合いキャッチする団体では、5人の息の合った動きが不可欠となる。
 「新体操は気持ちを作ることがすごく大事。1回しかない本番で緊張感の中、完璧な演技が求められる。信頼がないとできない」と吉田コーチ。今回の成績は、長所も短所も知り尽くして認め合い、地道にコツコツ積み上げてきた努力のたまものだ。
 同大会出場は2度目。昨年と異なり1、2年生が主体だったため、技術面の弱さを、気持ちとチームワークでカバーしてきた。リーダーの堺ひまりさんは、「一昨年は自分たちの演技ができず、悔しかった。今回は自信をもって自分たちらしい演技ができたので、結果を知って驚いた」と喜ぶ。
 初日は緊張でミスがあり、不安で落ち込んだが「みんなで前を向いて声をかけ合って」乗り越えたことが、決勝進出を決めた2日目の演技に繋がった。「1日目の失敗があったからこそ、みんな気付けたことがあった」
 今大会で堺さんは引退し、既に新しいチームとしての練習が始まっている。「春に新1年生が入ってきたら、また新しいチームらしく前を向いて頑張って欲しい」と話す。
 気持ちを一つに「楽しく、自分たちらしく」の精神をつなぐTESOROの活躍を、今後も期待したい。

写真/試合後の会場で最高の笑顔を見せるメンバーたち。(前列左から)押切春菜さん(1年)、岸紗花さん(2年)、松山明日香さん(1年)、三村愛莉さん(1年)、(後列左から)中本純奈さん(3年)、堺ひまりさん(3年)、鈴木優南さん(2年)、原寧々さん(3年)