足立朝日

550人が参加 東日本大震災復興を祈る全学寺 「すきだっちゃ南三陸」PART2

掲載:2020年3月5日号
 2月11日(火・祝)、古千谷本町2丁目にある全學寺で、同寺と大正大学(豊島区西巣鴨)の学生がコラボした東日本大震災復興支援のチャリティーイベント「すきだっちゃ南三陸」が昨年に続き行われ、550人を超える参加者が、様々な企画を楽しみながら復興を祈った。
 大正大学からは今年も「サービスラーニング」クラスの20人と齋藤知明専任講師(36)が参加、各企画の受付や運営スタッフとしてフル稼働。メンバーは、2月5日(水)~8日(土)に南三陸へ行き、イベントのイメージをふくらませた。
 本堂やお堂では、大島俊映副住職(36)の友人・知人たちが、こども演奏会、楽器作りワークショップ、無料食堂、ベビーダンス、演舞などの企画で応援参加。
 なむなむ堂では、4年前から南三陸の写真を撮り続けている4年生の山本陸さん(20)が、最近の現地の様子を展示。山本さんは「外から見ると復興はまだまだに見えるが、現地では『着実に進んでいる』と前向きですよ」と話した。
 本堂では、午前中に、南三陸在住で3人の女の子の子育てをしている及川八千代さん(42)が、震災の当時のことから今の生活まで語り、午後からは支援で東北を回る演劇集団「ごきげん一家」が今年も駆けつけ、元気な演劇を披露して拍手を浴びた。
 今年も書院でのチャリティー無料食堂が人気で大にぎわい。前回の2日目に参加した古千谷3丁目在住で荒川区熊野前のサンドイッチ店「narrow cafe」を営む長村孝則書院でのチャリティー無料食堂は大にぎわいシェフ(35)が腕をふるい、南三陸産のお米とタコを使った郷土料理タコ飯、鰹節で出汁をとって大根、ネギ、ニンジン、ゴボウなど野菜たっぷり、油ふ入りのすいとん「はっと汁」100食分を作り、大正大学の学生たちが配膳してふるまった。
 イベントを終え、大島副住職は「今年もこんなに大勢来てくれるなんて感激。地域とつながるさらなるパワーをもらいました」と語る。
 齋藤講師は「物販や講演ではなく、単純に来ている人に楽しんでもらいながら被災地の現状や魅力を知ってもらうという趣旨のイベントは少ないと思う。それを2年続けてやり切ったことに学生とともにホッとしています」と話した。

写真上/「語り部」での及川さん(右)の話は、9年前を思い出させた=本堂で
中/「語り部」に参加した人たち=同
下/書院でのチャリティー無料食堂は大にぎわい