足立朝日

新緑の中 武蔵野の路・舎人コースを歩こう!

掲載:2020年6月5日号
 外出自粛の「コロナ禍」で、体はなまり、気分も滅入りがち。そこで、6月は気分を変えるために梅雨のあい間に、外を歩こう――ということで、読者から「足立区にも武蔵野の路があるらしいが、それを教えて」という手紙が来た「武蔵野の路」を歩いてみよう。


【西の鹿浜橋から東の中川まで】
 インターネットで「武蔵野の路」を調べてみると、21コースの11番目に「舎人コース」というのがあった。
 コースは、大雑把に言うと、北区から荒川・鹿浜橋で足立区に入り、そこからスタート。都市農業公園から首都高速川口線沿いを舎人公園まで歩き、今度は日暮里・舎人ライナー沿いに舎人緑道公園まで行く。見沼代親水公園へ到着後、同公園を南下、保木間掘親水水路にぶつかったらそこを歩いて谷塚橋に出て、毛長川遊歩道で水神橋へ。毛長川沿いを花畑大橋まで歩き、そこから総合スポーツセンターまで南下、その後綾瀬川まで西へ歩いて渡り、垳川沿いに歩いて中川の大場川水門まで、というコース。すべてが親水の緑道ではないため、地図が欠かせず2日は必要だ。
【ハイライトは、谷塚橋~水神橋~花畑大橋】
 スタートの鹿浜橋から見沼代親水公園(出口)は、ほぼコンクリートの道なので素通り。水車が回り、樹木が茂る素敵な同親水公園は良く知られている道だが、毛長川の谷塚橋からが、地元の人以外余り知られていない緑道だ。
 谷塚橋際に建つ舎人コースの案内を確認し歩くと、右手におなじみの赤と白のツートンカラーの足立清掃工場の高い煙突が見えてくる。東武線のガードをくぐると竹の塚中学校が右手。その先の道がよく整備されていて、ベンチが置かれた横に7人の子どもが壁をよじ登る様子を力強く描いた足立区野外彫刻コンクールの入賞作品「子供の詩」が置かれている。その先には「おちゃらか」「ちゃつみ」などの童謡遊びが書かれた石のイスが5、6基。
 路は、日光街道(国道4号線)のバイパスで迂回し、再び「武蔵野の路」に入ってその案内と彫刻を見て歩くと、一部埼玉・谷塚に入った場所にカキツバタの群生があり、水神橋へ。ここから先は大通りを再度迂回し、来年開校する文教大学の工事を右手に見る毛長公園へと入っていく。
 花畑大橋から先はどういうわけか、通りを歩く。綾瀬川の先の垳川まで緑道はお預けになる。
【MEMO】
「武蔵野の路」は、東京都が1990年代に計画したもので、東京都を周回出来る散策路だ。全部で21コースに分かれ、コースの合計距離は、277.7㎞にも及ぶ。しかし、この路は各市区町村が整備したり、計画した「散歩道」をつなぎ合わせたもの。このため、この全コースが完全に整備されているわけではない。この路を計画した都庁の建設局道路管理部によると、それぞれの道筋は決まっているものの未整備のコースも多く、「完成している」と言えるのは1コースの「六郷コース」(11.1㎞)から「11コース」の「浮間コース」(10.5㎞)までの11コースで、パンフレットが完成。残り「舎人コース」からの10コースのパンフレットは作成予定がないとのこと。2002年度になって予算がつかなくなった、というのが真相のようだ。担当は、「東京都建設局道路管理部安全施設課景観整備担当係」(TEL5321・1111)になっているが、すでに事業そのものが終わっているため、詳細は不明。

写真上/谷塚橋際に立つ舎人コースの案内板
中/埼玉・谷塚市に入った場所に群生するカキツバタあり
下/ベンチの横に置かれた力強い彫刻作品