足立朝日

手ぬぐい生地を活用「おしゃれなマスク」 婦人服縫製会社「マーヤ」

掲載:2020年6月5日号
 高級婦人服の縫製加工を手掛ける「㈱マーヤ」(椿2丁目、菅谷智社長)が、東京本染めゆかたや手ぬぐいを製造する「旭染工㈱」(花畑2丁目、阿部晴吉社長)の生地を使って、「あだち産のマスク」を製造・販売し、紺色の格子柄が「おしゃれ!」と好評だ。同社は、経産省発注による不織布の医療用ガウン(アイソレーションガウン)の製造にも全力を挙げており、コロナ禍と闘う区内企業の先頭に立つとともに、生産が止まった本業を挽回すべく奮闘している。
 「マスク」の素材は、ブラウスに用いられる細いブルーとホワイトボーダーの綿の表地と、浴衣などに用いられる晒生地「特岡」糸を使用し、密度が高くなめらかな肌触りの裏地が特徴。綿100%のため何度でも洗って使える。
 当初は、従業員やその家族、同社佐原工場近くの老人ホームなどへ無料で配付するために製造していたが、好評だったため、「多くの方に使ってもらおう」と販売を決意。生地が大量に必要になるため、縫製仲間の旭染工にさらし生地の発注を依頼。
 「マーヤ」は、服飾業界でも定評のある繊細な縫製加工技術により、シルキーサテンブラウスなどの高級婦人服を製造していて、2018年(平成30年)に「足立ブランド」企業として区から認定されている。一方の「旭染工」の阿部晴吉社長は「注染」という表裏で色の濃さが変わることなく、深みのある色味に仕上がるのが特徴の染色技法で、平成30年度東京マイスターに認定された。
 今回、その2社が使う素材を合わせたマスクが製造、販売されたが、販売に当たっては、同じ足立ブランド仲間の「シマヤ出版㈱」(小早川正樹社長)が作ったコロナ対策を呼び掛けるチラシなども同封された。
 販売は4月末からスタートし、1枚700円×3枚セット(フリーサイズ、送料別)で、販売方法は①マーヤのホームページでネット販売②マーヤ縫製工場(椿2-8-5)にて直接販売。
 担当の菅谷正専務(31)は「さわやかさとなめらかな肌触りが好評です」と話す。
 他方、医療用ガウンは、都のアパレル組合から打診があり、4月末に受注。すでに4万8千着を納品し、今後月5千~1万着を製造する予定だ。5月19日(火)のテレビ朝日「スーパーチャンネル」で紹介された。
 菅谷智社長(56)と恵夫妻は「14人の社員の健康と生活を守るため必死。その仕事が、区民・都民のためになるのはうれしい」と語る。
【メモ】問合せ=TEL3899・5975マーヤHP

写真上/医療用ガウンを付ける恵さんと菅谷社長
中/「あだち産のマスク」を手に菅谷専務
下/販売セット