まだ食べられる食料が捨てられる「食品ロス」について学ぶ講座、あだち区民大学塾「食品ロスの実態 一人ひとりが出来ること」が、12月1日(火)と15日(火)の2回にわたって開かれた。
あだち区民大学塾はNPO法人あだち学習支援ボランティア「楽学の会」が、学びたい区民と伝えたい区民をつなぐ講座で、毎回異なるテーマで年間を通して実施している(足立区・区教育委員会後援)。今回の講座は6月開催予定だったが、新型コロナウイルスの影響で半年遅れとなった。
食品ロスは世界的に問題となっている。地球上で9人に1人が栄養不足にあると言われる一方で、年間に廃棄される量は世界で食料生産量の3分の1に当たる13億トン。日本では年間612万トン(東京ドーム5個分)で、国民1人が毎日ご飯茶わん1杯を捨てている計算になるという。
コンビニや小売店、飲食店などの売れ残りや食べ残しだけでなく、家庭での廃棄が284万トンと半分近い。原因として料理を作り過ぎて食べ残す、買った食材を使いきらずに捨てるなどがある。
1日目は東京都環境科学研究所主任研究員の小泉裕靖氏が、企業側の仕組みを中心に「食品ロスの実態と削減行動の取組み」について講演。
2日目は足立区環境部ごみ減量推進部・資源化推進係長の梶原禎顕氏が、足立区の取り組みについて説明した。令和元年度のサンプル調査では、足立区の燃やすごみのうち、未利用食品の割合は3・6%(4500トン)あり、1年間に区民1人が6・5kgの食品を捨てている計算になる。
梶原氏は実際にごみの中から見つかった手つかずの野菜、果物、乾麺や惣菜などの写真を提示。割引シールが貼ってあるものや外側だけ使用されたキャベツもあったそうで、「キャベツ1玉の方が半切より安くても、使いきれるかを考えて買って」と呼びかけた。
「消費期限」は過ぎたら食べない方が良い、「賞味期限」はおいしく食べられる期限の表示なので、過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではない。買い物の前には冷蔵庫を確認して必要なものをメモし、商品棚の手前の日付の早いものから購入することが大切だ。
2人目の講師は、10年以上前から居場所として子ども食堂を運営している「がきんちょファミリー」代表の大山光子氏。「がきんちょ地域食堂」での「手つかず、作り過ぎず、食べ残さない」の取り組みを紹介した。
その日に集まった食材でメニューを決めるため「作りすぎて捨てるなんてことは絶対にしない」。また、パッケージに印刷されたイベント・企画の期限終了・中止により、賞味期限に関係なく廃棄扱いになる大量の菓子を目の当たりにしたことを話し、食品の価値とは違う流通に疑問を呈した。
約20人の参加者の中には、フードパントリー(ひとり親家庭や生活困窮者などへの食品無料配布)に携わっている人も多く、真剣に聞き入っていた。
《食品ロスを減らそう~足立区の取り組み~》
▼フードドライブ
お歳暮でもらったが余っている、買いすぎてしまったなど、使わない食品を役立てよう。【対象食品】缶詰、インスタント食品、レトルト食品、米、調味料、飲料、嗜好品、乾物(うどん・そば・パスタ等)。いずれも未開封で賞味期限が2か月以上あるもの【受付場所(区内5カ所)】ごみ減量推進課(区役所南館11階)、足立清掃事務所、あだち再生館、生涯学習センター(学びピア)、花畑地域学習センター
▼フードシェア「TABETE」
飲食店や小売店で残りそうな商品を安く提供するフードシェアリングサービス「TABETE」。消費者はアプリを無料でダウンロード、店舗が出品したものをお得に購入できる。区内では10店舗が登録(12月現在)。メニューにあるものだけでなく、これまでではハンバーガー店が余ったバンズで揚げパンを作って出品したこともある。
▼もったいないレシピ
家庭で余りがちな食品を使って料理研究家が考案したレシピが、区のホームページ(「もったいないレシピ」で検索)で公開されている。飽きやすい缶詰なども、ちょっとした工夫でおいしくなる。参考にしてみては。
▼生ごみ処理機・コンポスト購入に区の補助金
乾燥させて生ごみの量を減らす「乾燥式」と微生物の分解処理してたい肥として利用できる「バイオ式」がある。
【問合せ】TEL3880・5027ごみ減量推進課・資源化推進係
写真上/燃やせるごみの中にあった食品を示す梶原氏
下/「がきんちょ」代表の大山氏
あだち区民大学塾はNPO法人あだち学習支援ボランティア「楽学の会」が、学びたい区民と伝えたい区民をつなぐ講座で、毎回異なるテーマで年間を通して実施している(足立区・区教育委員会後援)。今回の講座は6月開催予定だったが、新型コロナウイルスの影響で半年遅れとなった。

コンビニや小売店、飲食店などの売れ残りや食べ残しだけでなく、家庭での廃棄が284万トンと半分近い。原因として料理を作り過ぎて食べ残す、買った食材を使いきらずに捨てるなどがある。
1日目は東京都環境科学研究所主任研究員の小泉裕靖氏が、企業側の仕組みを中心に「食品ロスの実態と削減行動の取組み」について講演。
2日目は足立区環境部ごみ減量推進部・資源化推進係長の梶原禎顕氏が、足立区の取り組みについて説明した。令和元年度のサンプル調査では、足立区の燃やすごみのうち、未利用食品の割合は3・6%(4500トン)あり、1年間に区民1人が6・5kgの食品を捨てている計算になる。
梶原氏は実際にごみの中から見つかった手つかずの野菜、果物、乾麺や惣菜などの写真を提示。割引シールが貼ってあるものや外側だけ使用されたキャベツもあったそうで、「キャベツ1玉の方が半切より安くても、使いきれるかを考えて買って」と呼びかけた。
「消費期限」は過ぎたら食べない方が良い、「賞味期限」はおいしく食べられる期限の表示なので、過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではない。買い物の前には冷蔵庫を確認して必要なものをメモし、商品棚の手前の日付の早いものから購入することが大切だ。

その日に集まった食材でメニューを決めるため「作りすぎて捨てるなんてことは絶対にしない」。また、パッケージに印刷されたイベント・企画の期限終了・中止により、賞味期限に関係なく廃棄扱いになる大量の菓子を目の当たりにしたことを話し、食品の価値とは違う流通に疑問を呈した。
約20人の参加者の中には、フードパントリー(ひとり親家庭や生活困窮者などへの食品無料配布)に携わっている人も多く、真剣に聞き入っていた。
《食品ロスを減らそう~足立区の取り組み~》
▼フードドライブ
お歳暮でもらったが余っている、買いすぎてしまったなど、使わない食品を役立てよう。【対象食品】缶詰、インスタント食品、レトルト食品、米、調味料、飲料、嗜好品、乾物(うどん・そば・パスタ等)。いずれも未開封で賞味期限が2か月以上あるもの【受付場所(区内5カ所)】ごみ減量推進課(区役所南館11階)、足立清掃事務所、あだち再生館、生涯学習センター(学びピア)、花畑地域学習センター
▼フードシェア「TABETE」
飲食店や小売店で残りそうな商品を安く提供するフードシェアリングサービス「TABETE」。消費者はアプリを無料でダウンロード、店舗が出品したものをお得に購入できる。区内では10店舗が登録(12月現在)。メニューにあるものだけでなく、これまでではハンバーガー店が余ったバンズで揚げパンを作って出品したこともある。
▼もったいないレシピ
家庭で余りがちな食品を使って料理研究家が考案したレシピが、区のホームページ(「もったいないレシピ」で検索)で公開されている。飽きやすい缶詰なども、ちょっとした工夫でおいしくなる。参考にしてみては。
▼生ごみ処理機・コンポスト購入に区の補助金
乾燥させて生ごみの量を減らす「乾燥式」と微生物の分解処理してたい肥として利用できる「バイオ式」がある。
【問合せ】TEL3880・5027ごみ減量推進課・資源化推進係
写真上/燃やせるごみの中にあった食品を示す梶原氏
下/「がきんちょ」代表の大山氏