足立朝日

旧板垣邸 国登録有形文化財 登録へ

掲載:2022年8月5日号
 千住5-6-7にある旧板垣邸(現・和食板垣)が、国の登録有形文化財(建造物)に登録されることになった。区内には、ほかに西保木間の「平田家住宅」(通称「昭和の家」)が登録されており、2例目になる。
 7月22日(金)文部科学省の文化審議会が全国136件の国登録有形文化財(建造物)の登録を文科大臣に答申したもの。
 「板垣邸」は、学びピア21前の広い道路(通称「板垣通り」)と旧日光街道、旧水戸街道の交わる角にある。純和風建築と洋館が融合したクラシカルな建物だ。江戸時代から千住に住んでいた旧家板垣家は、大正時代は農家として現在の荒川の中にあったが、大正2年に荒川放水路掘削にあたり。現在の千住5丁目に転居。現在の建物は、東京市議会議員を務めた板垣信春氏が昭和13年に住宅として建てた物。
 令和2年、当時の当主・板垣稔氏が当家の相続の際、建物を残して活用してくれる人への売却を希望。近くで事業をしている近藤温思さんが、小さい頃から同邸を見て育ち「建物を残したい」と熱望していたことから、土地・建物を購入し、内部をリニューアルして現在の「和食板垣」として、一昨年11月にオープンさせた。
【近藤温思さんの話】「地域のために残したかった建物なので、登録に答申できてよかった」

写真/旧板垣邸の外観を残した現在の「和食板垣」