足立朝日

悪徳業者の野放しもう許さない  第4回動物愛護法改正の会

掲載:2010年1月20日号
 4回目となる「動物愛護法改正の会」が11月下旬に衆議院会館で開かれた。現在、インターネットでの生体販売がされているが、トラブルや詐欺まがいの事件が横行している。客がお金を振り込んだ後に動物の体調不良を理由に、客側にキャンセルをさせるように仕向け、キャンセル料金を取り立てる手口が報告された。
 同会は「前回の法改正時もインターネットによる通信販売に規制をかけるという動きはあったが、結局盛り込まれなかった。今回はしっかりと改正する必要がある」と訴えた。
 また「生き物なので、実際に足を運んで実物を見て判断して欲しい」と写真だけで買う側への問題も提起。写真と違う犬だったり、栄養状態が悪かったり、疾患を持っている子が届くなど、トラブルは絶えないという。
 日本では幼い子ほど価値がある、という愚かな実態があるために、生後60日以内の個体は売られてしまう。生後間もなく母親や兄弟から離してしまうので栄養状態が悪い、社会性に乏しいなど問題を抱えた個体も少なくはない。
 そのようなことを防ぐためにも同会では、生後8週齢以上の個体の販売を掲げる。さらに、5歳以上の母犬には産ませないことや、ブリーダーの監視などをあわせてを盛り込む予定だ。
 また、24時間営業のペットショップの問題をアナウンサーの滝川クリステルさんが発言。「深夜に照らす光が8週齢以内の子犬たちにとって脳の障害が起こると研究結果が出たという先生にも会った。深夜販売の深刻さや影響を伝えていきたい」と話す。
 元議員の藤野真紀子さんは「2年後には絶対に規制したい。罰則規定があるが検挙もチェック機能も全くない。基準を設け、全国で周知徹底して欲しい」と環境省室長補佐の今川正紀さんに訴えた。
 女優の浅田美代子さんは「ショップの登録制も国家試験並の難しさにして制約をかける必要がある。絶対に良くないということを変えたいだけなのに時間がかかり過ぎる」と会参加者全員が抱いている気持ちを代弁。
 藤野真紀子さんは「犬、猫が好きだからという問題では全くない。国のモラルの問題で、どのように命に対して向き合うのか。強いて言えば子どもたちの心の教育にもなる。小さな子どもたちが馳せる命への思いを大人が育まなくてどうするのか」と発言し、温かい拍手で包まれた。 また、同会では署名を集めている。オンラインでも可能。http://www.nolove-noearth.com/sign.html

写真=上=積極的に発言する浅田さん(右から3人目)と潜入取材の報告をした滝川さん(右端)。下=日本のザル法に鋭くメスを入れるマルコさん